zoom |
V2文庫 詰将棋を始める前に読む本 捨て駒の達人 |
[総合評価] D 難易度:★★ 〜★★★ 見開き1問 内容:(質)B(量)C レイアウト:B 解答の裏透け:A 解説:B 中級〜向き |
||
【著 者】 井手畑 理 | ||||
【出版社】 ブイツーソリューション | ||||
発行:2005年4月 | ISBN:4-434-06068-6 | |||
定価:600円(5%税込) | 119ページ/15cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||
・詰将棋=計43問
・【詰将棋こらむ】(1)趣向詰め
(2)煙詰め (3)曲詰め |
【レビュー】 |
詰将棋の「捨て駒の手筋」を分類し、例題を交えながら解説した本。 著者の井手畑氏は全く知らない方だが、裏表紙の略歴によれば福岡の将棋普及指導員だそうだ(ちなみに2000年に気象予報士になっている)。つまり本書は、“アマの「もっと詰将棋を広めたい」という思い”から作られた本である。 まず、文字がやたら大きいことに驚いた。行間もかなり広い。つまり、1ページあたりの内容は少なくなっている。そして、各項タイトルと本文のフォントサイズが同じ。どうやら、MS-Word等のワープロソフトで原稿を作成し、そのまま印刷したようだ。図面もPC画像そのままで、ジャギーが激しく目立つ。 これがコピー&ホッチキス綴じの配布資料や同人誌であれば、特に問題はない。しかし、読者にとっては、内容だけでなく「作り」もコミで一冊の棋書なのだ。ISBN付きの本として流通ルートに載せる以上、しっかりした体裁が要求される。 詰将棋の方は、捨て駒メインの短手数作品(3手〜9手)を解説していて悪くない。ただ、初級者を対象にしている割には、詰将棋も文章も難しい。例題は易しいが、練習問題はわたしでもかなりてこずった。 「詰将棋入門として、捨て駒を分類して解説する」というテーマは良かった。筆者が目指したかったのは、「『寄せの手筋168』の詰将棋版」だったのだろう。ならば、そのスタイルをそのまま使い、問題を易しくして量を増やし、たっぷりと解説してほしかった。そうすれば良質の詰将棋入門書になっていたに違いない。(2005Nov02) |