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■手筋事典

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手筋事典
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手筋事典
あなたの将棋が9割変わる!
[総合評価] B

難易度:★★☆
   〜★★★☆

図面:見開き4〜5枚
内容:(質)A(量)B
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
中級〜上級向き

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【著 者】 青野照市
【出版社】 創元社
発行:2011年2月 ISBN:978-4-422-75049-1
定価:1,260円(5%税込) 198ページ/21cm


【本の内容】
第1章 攻めの手筋 突き捨ての歩/成り捨ての歩/タタキの歩/連打の歩/焦点の歩/垂れ歩/継ぎ歩/継ぎ歩から垂れ歩/ダンスの歩/端攻めの歩/田楽の香/下段の香/飛車底の香/不成の香/不成の桂/両取りの桂/控えの桂/継ぎ桂/歩頭の桂/跳ね違いの桂/不成の銀/遠見の角 90p
第2章 受けの手筋 支えの歩/底歩/中合いの歩/引きつけの歩/突き違いの歩/桂先の銀/自陣に埋める金/受けの自陣飛車 34p
第3章 寄せの手筋 しばりの寄せ/腹銀の寄せ/尻銀の寄せ/退路封鎖の寄せ/下段に落とす寄せ/金なしの寄せ/桂頭の玉/早逃げの玉 34p
第4章 次の一手問題 次の一手問題=30問 60p

◆内容紹介
手筋とは好手の見本。手筋を覚えたら、将棋の内容が変わる。実戦で手筋がひらめく実力をつける、棋力アップに必携の一冊。
本書では「第1章・攻め」「第2章・受け」「第3章・寄せ」と目的別に手筋を紹介。それぞれの章で、歩から玉まで駒別に、手筋の基本と応用を解説している。さらに「第4章・次の一手問題」で学んだ手筋を実戦でどう使うかをトレーニングすることで、 実力がつき、実戦で手筋がひらめくようになる。
棋力アップに、ぜひ手元に置いて勉強してほしい一冊。


【レビュー】
駒の手筋を詳しく解説した本。初段前後向け。

手筋とは何か。本書では、次のように定義されている。
手筋というのは、元来、大長考したあとに発見するようなものではなく、この形ならこの手が筋だ、手筋とはこうやるものだという第一感が先に働き、そのあとでそれで本当によくなるかどうかを読むという性質のものです。」(p168)

将棋というゲームは、無効な手も含めて読みを入れると、あっという間に変化の量が発散してしまう。しかし、手筋を知っていれば、有効な(可能性の高い)手にすぐ絞ることができ、あとはその確認をすればよい。特に級位者クラスから初段くらいまでは、基本手筋をたくさん知ることで、棋力が大幅アップする。

本書は、基本的な手筋を「攻め」「受け」「寄せ」に分類し、さらに駒別に細分化して詳しく解説したものである。

本書の基本構成は以下の通り。

レイアウト【基本構成】
(1)[基本](部分図)
 部分図を使って、手筋の基本的な狙いと効果を解説。

(2)[基本](全体図)
 全体図(実戦図)を使って、手筋がどのように使われているかを解説。
 「部分図」と似た形の全体図であることが多い。
 (1)と(2)で見開き2ページ。

(3)[応用](全体図)
 (2)とほぼ同じだが、プロの実戦で手筋がどのように使われているかを解説。
 (3)だけで見開き2ページ。(3)がない手筋もある。

(4)[上級](全体図)
 たまに(3)の後ろに追加されている。
 内容は(3)とほぼ同じ。

【フォント】
解説の基本フォントは明朝体、本手順は太字ゴシック体で強調してある。

さて、読んだ感想を箇条書きにて。

〔良かったところ〕
全体図を使った解説が充実している。
 狙いが端的に実現している例ばかりではなく、相手がどのように抵抗してくるか、いくつかの手筋がどのように組み合わせて使われているかが分かる。

〔物足りなかったところ〕
手筋の項目数が足りない。
 「事典」を名乗るからには、これまで世に出た基本手筋のをすべて網羅しているくらいの勢いを期待していた。
[基本](部分図)→[基本](全体図)でのジャンプが大きい。
 急にレベルが上がる感じがした。
 ※というか、本書が想定している棋力は、もともと一通りの手筋(例えば「羽生の法則」シリーズくらい)は知っているレベルなのかもしれない。


これまで、手筋がプロの実戦の中でどのように使われているかをガッツリ解説した本というのはあまりなかった。本書の内容は、手筋の習得が必要なレベルの人にとっては少し難しいかもしれないが、多くの手筋を見ることで、今後の勉強(例えば棋譜並べ)などの理解がしやすくなるかと思う。

「有段者に薦められて棋譜並べをやっているが、よく分からない…」という人には、ちょうどいい本だろう。対象棋力とニーズにジャストフィットした人が読めば、Aの価値があると思う。(2011Mar11)

※誤字・誤植等(第1版第1刷で確認)
p41 ×「また△4六玉なら▲4七金△5五玉を決めて、▲5三角成で…」
   ○「また△4六玉なら▲4七金△5五玉を決めて、▲5三歩成で…」
p69第4図 ×角が3枚ある。(▲8八角+持ち角2枚)→
p69第4図の誤植と改善案
p82〜83 ×第1図が2つある ○p83上段図を「第2図」にする
p124 ×「一方向に攻められては」 ○「一方的に攻められては」



【関連書籍】

[ジャンル] 
駒の手筋
[シリーズ] 
[著者] 
青野照市
[発行年] 
2011年

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