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将棋 あなたの一手、プロならこう指す! | [総合評価] B 難易度:★★★ 〜★★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 中級〜有段向き |
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【著 者】 高橋道雄 | ||||
【出版社】 創元社 | ||||
発行:2010年7月 | ISBN:978-4-422-75048-4 | |||
定価:1,260円(5%税込) | 208ページ/21cm |
【本の内容】 |
・テーマ数=99 (1)角頭の攻めを待ってる金開き (2)角頭を守るよりも大事なこともある (3)序盤戦では、歩をつくときにご用心 (4)手拍子で指す前一度、深呼吸 (5)ぶつかっても、取る一手とは限らない (6)駒組みは、相手の話もよく聞け (7)急所の一手は逃がすべからず (8)態勢を立て直すまでは戦わず (9)相手の駒組みに応じて玉形を組み直せ (10)玉形の堅さが導く高い勝率 (11)玉側の桂跳ねは、堅さ三割減 (12)安心感なら、信頼厚き美濃囲い (13)定跡をはずれたときこそ慎重に (14)「しめた!」と思うときこそよく読もう (15)連結がはずれたときが仕掛けどき (16)軽快な浮き飛車のフットワーク (17)相振り飛車にも矢倉囲い (18)浮き飛車形は、対矢倉とはミスマッチ (19)攻め駒をいったん引くことも覚えよ (20)桂跳ねに力を持たせる歩の突き捨て (21)棒銀がどうにも進めぬ控えの歩 (22)局面の視界が煙る先入観 (23)横歩取りでは、竜よりも歩得 (24)じっと歩で押す本筋の攻め (25)これで行く!一度決めたら初志貫徹 (26)玉と金は離れず離さず (27)一手の差、あなどるべからず (28)相手のミスを見逃すな (29両翼の桂跳ね準備の地下鉄飛車 (30)誘いのスキには返し技あり (31)敵陣には角より飛車 (32)駒組みの良否はバランスにあり (33)打たれて困る俗手の好手 (34)陣形は、戦いながら引き締めよ (35)相手が突きそうなところを逆に突け (36)理想形を生かす飛車さばき (37)知っておきたい三手一組の好手順 (38)しまったと見える場面もプロは読み筋 (39)左桂をさばいて振り飛車大成功 (40)勝敗はと金の進む道にあり (41)飛車よりも、残しておきたい自陣の馬 (42)勝ちに行くより負けない手 (43)読みは相手より一手深く (44)控えて打てば、駒の活用もスムーズに (45)攻めるのが楽しくなる歩のテクニック (46)遠くのと金を活用する (47)陣形手厚い、金銀のスクラム (48)守りの歩、安易に突かない伸ばさない (49)玉頭の突き捨てで戦いやすくなる (50)陣形を凹まされるより、決戦に行け (51)守備駒が攻め駒に早変わり (52)タダ取りの欲は身を滅ぼす (53)強者は相手の読みをはずして受ける (54)陣形はまずバランスを見よ (55)矢倉戦では、4二の銀にはさわらず (56)勢いづいた攻めは痛いしっぺ返しにご用心 (57)玉への直射がずれると飛車はパワーダウン (58)あとでじんわり利くのがプロの手 (59)手薄なところをまずねらう (60)二枚銀は利き筋をダブらせて止めよ (61)相手の悪手に敏感になれ (62)たくさんの歩がぶつかればプロ気分 (63)成り駒は、引いて使うのが上級者 (64)勢いをつける軽手一発 (65)飛車をねじこむ場所を作れ (66)敵玉は、直接攻めずに寄せよ (67)飛車取りを必要以上に恐れるな (68)王手をかけるときは詰ますとき (69)両取りでは、玉に近い駒を取れ (70)四段目、竜より馬に力あり (71)底歩を打たれる前にもぐりこめ (72)玉頭の勢力争いに負けるべからず (73)眠っている大駒は目覚めさせろ (74)沈着な入城に悪手なし (75)「よさそうな手」にも、もうひと工夫 (76)竜を詰まして安全勝ち (77)香取りを見せて大物を釣り上げろ (78)力をためる迂回手順 (79)苦戦のときは思いきった勝負手を (80)重い重ね打ちはケースバイケース (81)負担の金銀を押し上げてから総力戦 (82)重ね打ちもときには決め技 (83)玉を逃がさぬ銀のクサビ (84)接近戦は金銀の物量で勝つ (85)敵の悪手につけこんでいけ (86)玉の窮地を救う正しい読み (87)詰めろ逃れの詰めろでピンチ脱出 (88)対穴熊戦では、玉を先に引き出せ (89)先入観を捨てれば勝ちが見えてくる (90)詰めろを消して詰みをねらえ (91)考えないで定跡で詰ませる (92)実戦に応用できるなじみの詰将棋 (93)玉を追う方向を見極めよ (94)金銀は、打つ順番に注意して (95)質駒も、頭の中の持ち駒に (96)長手順を読みきるのがプロ (97)勝ちにいくより負けない指し方 (98)合駒の正解手はひとつのみ (99)「あきらめて投了」がいちばんの悪手 ◆内容紹介 棋力アップには、プロ棋士の読みに裏付けられた指し手や、直感力・大局観を学ぶことが大切。本書はこの養成法を採用して、アマがついやりがちな失敗手99を序・中・終盤から取り上げ、「プロが指す正解手」を解説した。失敗手と正解手の差を見比べることができ、プロの感覚や正しい指し手を自然に身につけることができる。プロ棋士の指導を受けているような臨場感たっぷりの内容で、一冊読み通せばぐんと実力がつく。 |
【レビュー】 |
新格言をベースに大局観などを解説した本。 将棋は、序盤には定跡がある。終盤は詰将棋や必至問題などである程度鍛えられる。しかし、定跡から外れた序盤や、漠然とした中盤で方針を決めるのは難しい。 そんなときに必要なのが「感覚」や「大局観」である。感覚を鍛えるのはなかなか難しいが、実戦経験を数多く積んだり、上級者から適切な指導を受けたり、プロの棋譜を並べることなどで少しずつ鍛えることができる。また「格言」は、感覚や大局観を鍛える一助になる。 本書は、いろいろな局面をテーマとして、新格言を用いながらプロの感覚を注入する本である。 本書のテーマ数は99個。各テーマは見開き完結になっており、次のような構成で統一されている。 [見開き (右) ページ] ・難易度表示(★1〜★3) ・格言風のタイトル ・テーマ図 高橋の公式戦(相手に指された上手い手も含む) 練習対局 アマ同士の対局 指導将棋 定跡から ・やってしまいがちな失敗手 or 悪くはない次善手 [見開き (左) ページ] ・プロ感覚による正解手の解説 読み方としては、まず右上のテーマ図を眺めて局面を把握し、できる限り自分の方針を決めておこう。考える時間は各人の任意でよい。実戦で考える時間を目安にすると良いだろう。次に、右ページを読み、自分の読みが「やってしまいがちな失敗手」でないかどうかを確認。ここでできれば「プロだったらどう読むのだろう?」と少し考えてみるのがいい。そして、左ページで「プロ感覚による正解手」を確認する。 なお、本書は次の一手問題集ではないので、厳密な意味での正解手はない。たとえば、テーマ10、11では、高橋の感覚では玉頭に二枚銀を並べるのが大好きなのだが、若手だったら「穴熊に潜る一手」と言うかもしれない。自分の読みが解説と違っていても、それを受け入れつつ、自分の感覚も大事にしたい。 似たコンセプトの本としては、「アマの将棋 ここが悪い!」シリーズ(1999〜2002)がある。「アマの将棋〜」は、級位者時代の私の棋力をかなり伸ばしてくれた。本書はもう少し難易度が高いが、同じように級位者〜低段者の棋力向上に役立つと思う。(2010Aug04) ※誤植・誤字(第1版で確認): p202 ×「【第1図は▲9八玉まで】」→王手放置状態になっている ○「【第1図は△3八竜まで】」 |