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■なんでも矢倉

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なんでも矢倉 将棋必勝シリーズ
なんでも矢倉
[総合評価] B

難易度:★★☆

図面:見開き4枚
内容:(質)B(量)B
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
初級〜中級向き

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【著 者】 森下卓
【出版社】 創元社
発行:2004年9月 ISBN:4-422-75103-4
定価:1,260円(5%税込) 208ページ/19cm


【本の内容】
第1章 矢倉引き角棒銀
(対四間飛車)
・△6四歩型
・△5四歩型
・△4五歩への仕掛け
・△8三銀への仕掛け
・復習問題=10問
64p
第2章 銀立ち矢倉・玉頭位取り
(対四間飛車)
・△銀冠への組み換え
・△石田流
・△石田流+銀冠
・後手の対策(平美濃+石田流)
・復習問題=10問
60p
第3章 後手番強引矢倉 ※便宜上先後逆で解説
・▲三手角型(右四間飛車+腰掛銀の強襲)
・△3二銀型(引き角から8筋歩交換狙い)
・8筋歩交換拒否型(飛先をすぐ伸ばして棒銀に)
・△攻め合い型
・△6二銀省略型(向飛車が有力)
・復習問題=12問
80p

◆内容紹介(創元社HPより)
第1章と第2章は振り飛車に対して矢倉で勝つ戦法を、第3章は後手番から強引に矢倉を組み上げて戦う相矢倉戦の戦法を紹介。振り飛車に対しても居飛車に対しても、矢倉で戦えるユニークな戦法ばかり。定跡や攻防の考え方もわかりやすく解説しており、初級者でもすぐに実戦に利用できる。勝率アップ間違いなしの一冊。


【レビュー】
級位者向けの矢倉本。「なんでもシリーズ」三部作の一つで、「有段者お断り」だ。

振飛車でも居飛車でも矢倉に組もう、というのが本書の趣旨。文体はですます調で統一され、易しくて明快で考え方重視の解説なので、定跡書が苦手な人でも読みやすい。駒の損得勘定や駒の働きなど、ある一定の形勢判断ができる人なら十分理解できるレベル。

第1章の矢倉引き角棒銀は、対四間飛車の戦法で、数十年前にはプロでもよく指されていたもの。玉が角筋に入るのが気になるが、舟囲いでは薄すぎるし、今じゃ左美濃も居飛穴も楽に組めやしない…とお悩みの人は、一度試してみる価値はある。

第2章は玉頭位取り戦法。矢倉囲いから発展するわけではないので、これを「矢倉」と言ってしまうのはちょっと疑問のような…。

第3章はいわゆる「後手無理矢理矢倉」。田中寅彦九段が同名の棋書を出しており、森下も本文中で触れているのに、なぜわざわざ「強引矢倉」と名前を変えたんだろう?

3つとも現代のプロでは少し損と見られている戦法なのだが、比較的分かりやすく戦えるというのは魅力的。ただし、本書では相手が最善の対策をしているとは言い難いので、ちょっと強い人には勝てないかもしれない(まぁ「有段者お断り」なので仕方ない…)。同クラス相手にはかなりの威力を発揮するだろう。

実際に得意戦法にするというよりは、「定跡入門」の一冊として読むとよさげ。読んでるうちに、いろんな手筋や考え方を吸収できると思う。(2006Sep14)



【関連書籍】

[ジャンル] 
総合定跡書
[シリーズ] 
将棋必勝シリーズ
[著者] 
森下卓
[発行年] 
2004年

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