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初段に挑戦するシリーズ(7) 棒銀戦法 攻めて攻めつぶせ! |
[総合評価] A 難易度:★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
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【著 者】 石田和雄 | ||||
【出版社】 創元社 | ||||
発行:1983年3月 | ISBN:4-422-75057-7 | |||
定価:850円(初版680円) | 238ページ/18cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||||||
◆内容紹介(表紙より) |
【レビュー】 |
相居飛車での棒銀戦法の定跡書。 注目は第5章と第6章。角換わりは序盤の知識が必要なので、初級者の対局ではほとんど実現しないが、24の5級以上になるとよく見かける。角換わり棒銀の本は割とたくさん出ているのだが、絶版になっているものも多い。本書では、角換わり棒銀・早繰り銀の基本変化がバッチリ書かれていて、角換わり入門としてはかなり良い。特に大友流対策などは案外難しいのに、他書ではあっさり済まされていたりする。本書を大いに参考にしてほしい。 その他、第1章はおなじみの原始棒銀。これはいろいろな本に載っている。現在プロで流行の「UFO銀(宮坂流棒銀)」の初期型が載っているのは面白かった。思想そのものはほとんど変わっていない。 第2章は奇襲。▲7六歩△3四歩▲1六歩△1四歩と端をお付き合いさせてから矢倉に組み、棒銀で端攻めしようというもの。先手でゴキゲン中飛車をやろうとしたときなどによく生じる形なので、試してみると面白い。 第3章は矢倉△速攻棒銀。これは『最新棒銀戦法』(青野照市,創元社,2001)や『矢倉急戦道場 棒銀&右四間』(所司和晴,MYCOM,2002)に詳しく載っているので、本書では基本設計だけを学ぶことになる。 第4章のタテ歩棒銀は最近あまり見かけない。指し方が難しいのが一因か。 級位者向け定跡書にありがちな「これにて先手良し」で終わるのではなく、原始的な変化から互いに修正を繰り返し、最後は優劣不明になっているのも好感度高し。 『将棋・棒銀戦法』(青野照市,成美堂出版,1980)とかぶっている部分も多いので、どちらか一冊あれば十分。本書はいまでも書店で見つかるはず。値段も安いので、ぜひどうぞ。(2005Apr07) |