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■振飛車戦法

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振飛車戦法
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初段に挑戦するシリーズ(3)
振飛車戦法
【振飛車のコツをつかむ】
[総合評価] A

難易度:★★☆

図面:見開き2〜4枚
内容:(質)A(量)B
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
初級〜中級向き

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【著 者】 桐山清澄
【出版社】 創元社
発行:1980年10月 ISBN:4-422-75053-4
定価:850円(初版680円) 222ページ/18cm


【本の内容】
第1章 中飛車戦法 ・中飛車の原理
(1)vs引き角戦法 (2)vs袖飛車戦法(△7二飛)
(3)vs△5三金戦法(△6四金) (4)vs△7三桂戦法 (5)vs棒銀
84p
第2章 四間飛車戦法 ・四間飛車の原理
(1)vs引き角戦法 (2)vs△7五歩早仕掛け(山田定跡型)
(3)△7三桂戦法(二枚銀型△6五歩早仕掛け) (4)vs棒銀(▲8八角型)
62p
第3章 三間飛車戦法 ・三間飛車の原理
(1)vs棒銀(▲5九角〜▲4八角) (2)△7三桂戦法
32p
第4章 向飛車戦法 ・向飛車の原理
(1)攻める向飛車(△4二玉に▲8六歩の早仕掛け)
(2)攻める向飛車(▲7八金型) (3)自然流向飛車(本美濃囲い)
38p

◆内容紹介(表紙より)
アマ・プロを問わず最も愛用されている戦法、それが「振飛車」である。振飛車のコツをつかむためには、中飛車から向飛車まで一通りの形を覚え、その中から自分に一番適した得意の戦法を発見すること。そしてもっとも大切な振飛車の「捌き方」を身につけることである。


【レビュー】
振飛車全般の解説書。級位者向け。

「振飛車は駒組みが簡単だから」という理由で振飛車党になった級位者は案外多い。わたしもそうでした(笑)。たしかに角道を止めて美濃に囲うところまでは、ちょっと覚えれば簡単にできるし、カッコよくて将棋を指している気分になれるもの。しかし、単に形が組めるだけで振飛車感覚がなければ、振飛車はかなり指しこなすのが難しい戦法である。

本書では、「角道を止めて、美濃囲いにするオーソドックスな振飛車」vs「居飛車舟囲いからの急戦策」をざっくりと解説。難解すぎる変化は避け、本筋に近いものが中心になっている。やや振飛車に甘い変化が多いが、「初段を目指す」というコンセプトにちょうど合っている。

ある局面に対して形勢判断をするとき、「初級者向け・中級者向け・上級者向け」で判断を変えているのが面白い(第1章のみ)。確かに、初級者は飛車を取られると力が出ない人が多いので、一理ある。また、形勢判断はわざと大雑把にしてあるので、級位者には非常にとっつきやすいと思う。

「まず一通り振飛車を指せるようになりたい」という人にはオススメだ。


本書はわたしが初めて読んだ戦法解説書だった。いま読み直して、あらためて良書だと思う。しかし注意点が一つ。有段者になっていくには、一度本書でマスターしたことを忘れ、もっとシビアな形勢判断をして、細かい変化を覚えていく必要がある。

また、振飛車本は種類も多く、『ホントに勝てる振飛車』(先崎学,河出書房新社,2003)など現代的な良書も出ているので、必ずしも本書にこだわらなくてよい。ただ、古いからと敬遠せずに、一度は手に取ってほしい。(2005Mar03)



【関連書籍】

[ジャンル] 
振飛車総合
[シリーズ] 
初段に挑戦する将棋シリーズ
[著者] 
桐山清澄
[発行年] 
1980年

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