これだけできれば将棋二級　＠将棋　棋書ミシュラン！

【レビュー】

次の一手問題集。タイトルどおり、級位者（上級）向けの実力養成用。

レイアウトは見開き一問一答、ヒントは50字程度、解説は図面2枚で150字程度、標準的な詳しさ。

第1章は序盤の問題。早石田のハマリ手や、鬼殺しの受けなど、序盤の知識を養う問題や、いろいろな戦型で序盤のチャンスを逃さない問題などがある。ハッキリと優勢になる問題だけではなく、駒組みの理想形や作戦勝ちを目指す問題もある。おおむね3手～7手くらいがしっかり読めていればよい。

第2章は中盤の問題。定跡の一局面や実戦図から、形勢を優勢に導くような手が問われている。狙うのは主に駒得。

第1章・第2章では、ある問題の解説で触れられていた手が別の問題で出題されることがある。「あっ、見たことがあるのに…」と思ったのに解けなかった場合は、むしろマスターするチャンス。該当する問題を探して、両方解けるようにしておこう。なお、参照すべきページは書かれていないので、自分で探そう。

第3章は終盤の問題。全て全体図で、実戦必至、凌ぎ、一手一手の寄せ、必至逃れ、詰めろ逃れの詰めろなど、級位上級としてある程度できるようにしておきたい戦い方が出題されている。

第3章では、問題によっては10手以上先まで正確に読む必要がある。一番難しい問題では、「敵陣から自陣に飛不成で引き、再び敵陣に飛不成で入り、11手後の打歩詰めを回避する攻防の一手」というのが出てくるが、こういうのは例外。「こういうのもある」というのを知っておくだけで十分。本章は全問正解を目指す必要はなく、7～8割の正解を目指したい。

第4章は短手数の詰将棋。3手詰=15問、5手詰=15問、7手詰=15問、9手詰=7問となっている。奇抜な問題は少なく、手筋モノが多いので、第4章は全問解けるまでがんばりたいところ。

巻末には「棋力の自己判定表」がある。5級以下から1級以上までを自己判定できる。次の一手問題集にはよくあるのだが、本書は時間設定がちょっと珍しい。「前半96問で500分（8時間20分！）」「後半100問で600分（10時間！）」という制限時間が設定され、制限時間「以内」か「超過」かで棋力判定が少し変わってくる。通算時間が必要なので、取り組んだ時間をだいたいでいいから覚えておこう。

比較的良問が196題もあるので、実力アップにはぴったり。安価で入手できそうなら、手にとってみてください。(2011Oct25)

※誤字・誤植：
p278　×「△7八銀成▲同銀△8九金…」　○「△7八銀成▲同金（同香）△8九金…」

zoom	これだけできれば将棋二級（2･3･4級の問題）		[総合評価]　B 難易度：★★☆ 　　　～★★★ 見開き1問内容：（質）A（量）A レイアウト：A 解答の裏透け：C 解説：B 中級～上級向き
	【監　修】　田中寅彦
	【出版社】　成美堂出版
	発行：1992年10月	ISBN：4-415-04648-7
	定価：980円	415ページ／16cm

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