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中原誠の3度将棋が強くなるシリーズ 棒銀戦 〔3度〕将棋が強くなる |
[総合評価] B 難易度:★★☆ 図面:見開き2枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 初級〜中級向き |
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【著 者】 中原誠 | ||||
【出版社】 大泉書店 | ||||
発行:1985年2月 | ISBN:4-278-08113-8 | |||
定価:650円 | 216ページ/18cm |
【本の内容】 | ||||||||||||
・棒銀で勝つ攻略法
・棒銀戦の『次の一手』=17問 |
【レビュー】 |
「相掛かり▲原始棒銀」&「角換わり▲棒銀」の戦法解説書。 「中原誠の3度将棋が強くなるシリーズ」は、独特の構成が特徴。上段(2/3くらい)で定跡を解説し、節目の局面では次の一手問題が出題される。解答は三択で、出題ペースは約10ページに1問の割合。読者が考えるので読んでいて飽きにくく、急所の変化を理解しやすくなっている。また、下段(1/3くらい)では部分図による次の一手問題を出題。上段の解説部とは直接関係ないが、基本的な手筋問題が多く、有段者を目指す人には絶好のトレーニングとなる。 本書のテーマは原始棒銀と角換わり棒銀。どちらも居飛車の攻めとしては基礎的な部類に入り、有段者を目指すにはある程度マスターしておきたい。そもそも、初級者同士の対局では相掛かりや角換わり自体になりにくいのが難点だが…。 第1章の「原始棒銀」はもっとも基本的な破り方から。初級者にも分かるように解説されているのが良い。一方、定番とされている後手の受け方には言及されていないので、実戦で採用すると本の通りにいかず苦労するかも。 第2章の「角換わり棒銀」はなかなかの本格派。基本的な銀交換後の展開から始まり、最後の方は△5四角からほぼ互角の分かれで終わる。初級者はもちろん、有段者の角換わりビギナーにもオススメだ。 本書の「必勝手筋100」は、以前読んだ『中飛車 3度将棋が強くなる』(1984)よりもさらに易しい問題になっていると感じた。本編で原始棒銀を扱っているので、「必勝手筋100」の方もかなり初級者を意識したようだ。 第1章と第2章のバランスにやや難があるものの、初級クラス脱出にはまずまず使える一冊。(2004Nov21) |