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中原誠の3度将棋が強くなるシリーズ 中飛車 〔3度〕将棋が強くなる |
[総合評価] B 難易度:★★☆ 図面:見開き2枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
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【著 者】 中原誠 | ||||
【出版社】 大泉書店 | ||||
発行:1984年8月 | ISBN:4-278-08111-1 | |||
定価:650円 | 216ページ/18cm |
【本の内容】 | ||||||||||||
・中飛車を破る攻略法
・中飛車戦の『次の一手』=19問 |
【レビュー】 |
中飛車の定跡解説書。基本スタンスは「中飛車破り」。 「中原誠の3度将棋が強くなるシリーズ」は、独特の構成が特徴。上段(2/3くらい)で定跡を解説し、節目の局面では次の一手問題が出題される。解答は三択で、出題ペースは約10ページに1問の割合。読者が考えるので読んでいて飽きにくく、急所の変化を理解しやすくなっている。また、下段(1/3くらい)では部分図による次の一手問題を出題。上段の解説部とは直接関係ないが、基本的な手筋問題が多く、有段者を目指す人には絶好のトレーニングとなる。 本書では、まず第1章の「原始中飛車破り」が非常に参考になる。多くの本では、「(角道を開けずに)△5五歩▲同歩△同銀と来た場合、▲2四歩△同歩▲2五歩と継ぎ歩して先手良し」で終わっているが、実はハッキリ先手良しになるにはかなり先まで知っている必要がある(逆にいえば、そこまで知らない人に対しては原始中飛車が通用する)。本書第1章では「その先の変化」が非常に詳しく書かれていた。わたしが読んだ本の中では、トップクラス。原始中飛車に苦しんでいる人は要チェック。 メインはやはり第2章の「▲4六金戦法」。上段だけとはいえ、半分以上のページが割かれている。4六金戦法の基本から代表的な変化まで、分かりやすく・細かすぎず・割愛しすぎずの絶妙なバランスで解説されている。4六金戦法は指しこなすのが難しい戦法だが、本書を読めばいっぱしの4六金使いになれると思う。 第3章の玉頭位取りは、「こんな戦い方もありますよ」程度なので、実戦にすぐ応用するのは難しい。感覚を掴めば十分。 全体的に、変化が一段落したところで形勢判断をしているのが良く、級位者に優しい本だと感じた。初版からすでに20年が経過しているが、読んで損のない本だと思う。Aにしてもいいくらい。(2004Aug11) |