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■佐藤康光の実戦で使える囲いの急所

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佐藤康光の実戦で使える囲いの急所
zoom
NHK将棋シリーズ
佐藤康光の実戦で使える囲いの急所
[総合評価]
B(第1刷)
A(第2刷)

難易度:★★★

図面:見開き3〜4枚
内容:(質)A(量)B
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
中級〜上級向き

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【著 者】 佐藤康光
【出版社】 NHK出版
発行:2012年9月 ISBN:978-4-14-016207-1
定価:1,260円(5%税込) 256ページ/19cm


【本の内容】
第1章 対振り飛車の囲い崩し 美濃囲い、銀冠、木村美濃 48p
第2章 対居飛車の囲い崩し 舟囲い、高美濃、銀冠、木村美濃 40p
第3章 矢倉崩し 玉頭攻め、端攻め、横からの攻め 40p
第4章 穴熊崩し 成駒、桂を狙う、端攻め、金を狙う、玉頭攻め 34p
第5章 横歩取りの囲い崩し 中原囲い、中住まい、5二玉型中原囲い 38p
第6章 囲い崩しアラカルト 金無双、右玉、カニ囲い、雁木、端攻め、振り飛車7二玉型 45p

・腕試し対局棋譜=10局

◆内容紹介
好評を得た『
佐藤康光の寄せの急所 囲いの急所』(1995)の第2弾。「美濃囲い」「舟囲い」「矢倉」「穴熊」など、それぞれの囲いの急所を、また、実戦でよく出てくる囲いの崩し方を分かりやすく解説。


【レビュー】
囲い崩しの本。NHK将棋講座別冊付録「佐藤康光の囲いの急所リターンズ」(2011年4月号〜9月号)を再構成、加筆してまとめたもの。

本書のベースとして、17年前に出版された『佐藤康光の寄せの急所 囲いの急所』(佐藤康光,日本放送出版協会,1995)がある。この本では、美濃囲い、舟囲い、矢倉、それと左美濃(天守閣美濃)と居飛車穴熊の崩し方を、級位者にもよく分かるように解説していた。わたしにとって、囲い崩しの基本を習得し、将棋らしい将棋を指せるようになった第一歩の本であり、思い出の一冊である。ちなみに現在でもこの本は級位者にとって超オススメだと思う。

本書は、『〜寄せの急所 囲いの急所』をやや発展させた位置づけになる。実戦で現れるような、囲いの急所を衝いた手筋の組み合わせを学べる。

各テーマの構成は次のとおり。基本的に1テーマ6ページで構成される。

・冒頭3.5ページ: 解説パート。部分図で、囲いの急所と崩し方を解説
・0.5ページ: 腕試し問題。佐藤の実戦から出題。ものによっては章末に総譜付き。
・2.0ページ: 腕試し問題の解説。冒頭の解説パートとは違う手が正解であることもあるが、解説パートをちゃんと読んでいれば自然と急所に目が行くはずで、プロの実戦も比較的易しく感じられる。


〜寄せの急所 囲いの急所』と違っている点をまとめると、

・木村美濃、片銀冠や中原囲い、5二玉型中原囲いなど、この十数年で急増した囲いに対応。
・振飛車の△7二玉型など、およそ囲いとはいえないが出現率が高まったものにも対応。
・分かりやすさは同等。
・より実戦的な手が増えた感じ。
・受けの手も時々書いてある。攻めと受けは表裏一体。
・佐藤康光が美濃囲いを肯定的に見るようになった(笑) (以前は「美濃囲いが堅いとは思えない」と公言していた)


前著『〜寄せの急所 囲いの急所』と本書を併せて読めば、どんな囲いに対しても的確に急所に目が行くようになるだろう。

というわけで、超オススメ……としたいのだが、本書には重大な誤植が2箇所あった(下記参照、p90とp131)。かなり混乱度の高い誤植だったので、評価を少し下げている。第2刷以降で誤植が解消されていれば、Aとしたい。(2012Oct12)


(2021Mar05追記)
2014年12月20日発行の第2刷では、誤植はすべて修正されているとことです。第2刷以降の評価は
Aとします。


※誤字・誤植等(第1刷で確認):
p80 ?「2手スキの状態」 現状は3手スキで、△4九歩成として2手スキなのでは?
〔2012Oct24追記〕掲示板で「2手スキ」さんからご指摘いただきましたので、一部修正します。
  問題図は、△4九歩成〜△3九との筋だと3手スキになっていますが、別の筋で2手スキの状態なので、
  ×「先手は△4九歩成〜△3九とで受けがなくなる「2手スキ」の状態」
  ○「先手は△4九龍が詰めろで、▲同金△同歩成で受けがなくなる「2手スキ」の状態」
〔追記はここまで〕

p90 1段目〜2段目 「D図から△3一金と逃げれば▲5四歩で、…(空白)…三とと引いて良い。」 1行まるまる抜けているっぽい。この誤植は痛い!また、D図では持駒に歩がないので▲5四歩とは打てない。
おそらく「D図から△3一金と逃げれば、歩があれば▲5四歩で、歩がなければ▲5三とと引いて良い。」が本来の趣旨だと思われる。

p131腕試しE 角が3枚、香が5枚ある。→△4二角と▲9九香を削除する。

※2014年12月20日発行の第2刷では、上記の誤植はすべて修正されている。(2021Mar05追記、だすとふりーさん情報thx!)



【関連書籍】

[ジャンル] 
寄せ・囲い崩し
[シリーズ] 
NHK将棋シリーズ
[著者] 
佐藤康光
[発行年] 
2012年

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