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NHK将棋シリーズ 清水市代の将棋トレーニング |
[総合評価] B 難易度:★★★☆ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)A レイアウト:B 解説:A 読みやすさ:B 中級〜上級向き |
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【著 者】 清水市代 | ||||
【出版社】 日本放送出版協会 | ||||
発行:2006年2月 | ISBN:4-14-016139-6 | |||
定価:1,050円(5%税込) | 222ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||
・力試し詰将棋=24問 |
【レビュー】 |
中級〜上級クラス向けの総合書。 各項ごとにテーマを設定し、格言(本書では「キーワード」と表現し、太字でハイライトしてある)を交えながら手筋や考え方を解説。テーマが詰みから始まって、最終盤→中盤→序盤・戦法と遡っていくのが特徴的。なぜか後半の方が易しいのも特徴的(笑)。格言は昔からあるオーソドックスなものが多いが、表現を清水流にアレンジしたものもある。一例を示すと、 (従来)と金の遅早や → (清水流)と金は遅いようで早いよ 大駒は離して打て → 大駒は離して打とう 両取り逃げるべからず → 両取り逃げるよりよい手は と、こんな感じ。少しでも分かりやすくなるように心がけた……ようだが、格言は慣用表現なのでちょっと余計な工夫だったのでは? 他の人と話をするときに微妙なズレが生じてしまう可能性あり。 解説はかなり詳しく、ですます調+口語体で、なるべく講座っぽい表現になっている。また、「歩一枚がこんなおちゃめな芸(?)を演出する」「剣道でいえば『メン、メン、メン!』」など、清水流の表現も多々あり。これは楽しめる人とそうでない人に分かれるかも。 NHKテキストを詰め込んであるせいか、レイアウトはやや苦戦。なるべく見開きで終わるようになっているものの、一部で図面が飛んでいたり、無理に小さな(縦長の)図面で読みにくかったり。 全体的に丁寧な解説で、マスターすれば中級者→上級者になれると思う。ただ、微妙な読みにくさのせいか、あまり印象に残らなかった。惜しい一冊。(2006Jun20) ※各項末にテレビ講座の最後に出題する詰将棋が収録されている。手数は11手〜19手。いつも思うのだが、NHK講座の詰将棋は難しすぎやしないだろうか。「詰将棋」としては標準的なのだが、講座の難易度と合ってないことがしばしばあり、本書のものもそう。209pに「難しいけどがんばってくれ」との旨が書いてあるが……うーん。 |