(集文館版) zoom |
集文館ポケットブックス 将棋手筋100題 |
[総合評価] B 難易度:★★ 〜★★★ 見開き1問 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解答の裏透け:C 解説:B 読みやすさ:B 初級〜上級向き |
Not
found at Amazon.co.jp |
|
【著 者】 原田泰夫 | ||||
【出版社】 集文館 | ||||
発行:1972年 | 0376-98236-3055 | |||
定価:150円 | 200ページ/14cm |
【本の内容】 |
・次の一手=100問 ◆内容紹介(「集文館ポケット将棋シリーズ」巻末紹介文より) 定跡という従来の型を破り、手筋を開拓。臨機応変に手筋を知るには絶対に欠かせない本! |
【レビュー】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
次の一手問題集。 戦後、まだ間もないころ。棋書といえば定跡モノ、戦法モノだった時代。若手だった原田は、自身の初著作として、「手筋モノの問題集」を選んだ。以降、原田は級位者を対象にした著作をたくさん書き、将棋の普及に貢献する。 本書は、「普及名人」原田泰夫が初めて書いた一冊で、初級〜初段クラス向けの次の一手問題集である。なお、データ上は1956年発行になっているが、1951年以前に書かれたと思われる。 本書の次の一手問題は計100問。前半の50問は部分図の問題で、後半の50問は全体図を使った実戦的な問題になっている。全体的な難易度は「初段を目指す人」にちょうど良いレベル。中には、第10問(飛先の垂れ歩でと金作り)のような初級レベルのものや、第88問〜第90問のような高段戦からの出題もある。また、第91問〜第100問は駒落ち戦からの出題で、上手の対応を問う問題もある。 本書で学べる手筋は、矢倉崩し(中盤・終盤)、美濃崩し、歩の手筋各種、歩頭の桂、継ぎ桂、必至・詰め手筋、受け手筋、端攻め各種、など。 問題によっては、答が複数あるのが面白い。「手筋」なので、局面によって使い分けることになる。局面をじっくり見て、いろいろな変化を考えておこう。 レイアウトは、見開き左ページに問題図とヒント(50字程度)、めくって右ページに解答のオーソドックスタイプ。ただし、解答は図面が省略されており、正解手順と文章(100〜150字程度)だけになっている。考え方も書いてあるので、答の正誤だけでなく、じっくり読み解こう。 ただし、本書は戦後まもなく書かれたため、棋譜が漢数字で書かれていたり(▲七六歩など)、漢字の多くが旧字体だったりと、現代人にはかなり読みづらくなっている。わたしが読んだものは集文館版(1972)だが、字体はまったく同じだった。 棋譜と字体さえ気にならなければ、中級者向けの良質な問題集である。ただ、他に読みやすい問題集はたくさんあるので、無理に本書を読み解く必要はなさそうだ。(2011Aug18) ※本書に表れる旧字体等の表記を(旧)、現代の一般的な表記を(新)として、取り上げておく。
|