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石垣流二枚落大血戦 | [総合評価] B 難易度:★★★☆ 図面:見開き2枚(解説部) 内容:(質)B(量)C レイアウト:B 解説:A 中級〜有段向き |
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【著 者】 石垣純二 原田泰夫 | ||||
【出版社】 講談社 | ||||
発行:1975年2月 | 0095-302647-2253 (0) | |||
定価:780円 | 195ページ/20cm ハードカバー |
【本の内容】 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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【レビュー】 |
二枚落ちの個人実戦集。「月刊現代」に掲載された「素玄二枚落大勝負」をまとめたもの。本文と対局は石垣ドクター、解説は原田九段が担当している。丁寧な解説で、非常に読みやすい。 石垣氏の本業は医師だが、将棋界とも交流が深い。わたしは詳しく知らないが、さまざまな世界で有名人だったそうだ。(検索でもしてみてください) 本書での石垣氏の戦法は、乱戦になった2局を除けばかたくなに銀多伝。しかも端歩は必ず受け、△2四歩には▲2六歩と突き返す、正調銀多伝である。銀多伝は優秀な二枚落ち定跡で、マギレが少なめで下手が勝ちやすい。二枚落ち指導で銀多伝を採用している方には、かなり参考になるだろう。 中でも「石垣流」と呼ばれる攻め手筋は必見。右図から、「▲5五歩△同歩▲同飛△5四歩▲5六飛△7五金▲7七桂△6五桂▲6六歩△7七桂成▲同金△6五歩▲6七桂△6六金▲同金△同歩▲同飛」と、金をいじめて捌くのが妙手順で、現在では定跡になっている。ただしこの仕掛けが成立するのは「△7六金△8五歩型」に限定されるので注意が必要。第3局ではこの手順で快勝し、第5局では必勝局面に持ち込んでいる(結果は最終盤の見損じで負け)。 文章は山口瞳の方が面白いが、わたしは本書の方が好きである。(2003Mar15) |