<< 直前のページへ戻る
 

§3.0.3. 4手目の傾向─採用率と勝率

< 目次へ >

トップページ > 戦法研究所 > もうコワくない!早石田 > 4手目の傾向─採用率と勝率

次に、4手目の傾向を見ていきます。

ルール上、後手が4手目に着手可能なのは、次の39通り。


(歩を動かす手)△9四歩/△8四歩/△7四歩/△6四歩/△5四歩/△4四歩/△3五歩/△2四歩/△1四歩
(香を動かす手)△9二香/△1二香
(桂を動かす手)△3三桂
(銀を動かす手)△7二銀/△6二銀/△4二銀/△3二銀
(金を動かす手)△7二金/△6二金/△5二金右/△5二金左/△4二金/△3二金
(玉を動かす手)△6二玉/△5二玉/△4二玉
(角を動かす手)△3三角/△4四角/△5五角/△6六角/△7七角成/△7七角不成/△8八角成/△8八角不成
(飛を動かす手)△9二飛/△7二飛/△6二飛/△5二飛/△4二飛/△3二飛



これも『24万局集』をもとに、採用率と勝率の傾向を見ていきましょう。


母数:6717局
※サンプルが少ないものは勝率グラフを非表示にしています

  4手目

採用数

採用率

▲勝(率) 勝率グラフ △勝(率) 備考
△9四歩 3 (0.0%) 3(100%)   0(0%) 様子見
△8四歩 1163 (17.3%) 622(53.5%) 541(46.5%) 飛車先を伸ばして自然
△7四歩 0 (0%) ---   --- 自殺行為?
△6四歩 38 (0.6%) 17(44.7%) 21(55.3%) △6三銀型で受け止める/▲5五角の緩和
△5四歩 237 (3.5%) 113(47.7%) 124(52.3%) ▲5五角の防止/▲7六角の緩和
△4四歩 1404 (20.9%) 723(51.5%) 681(48.5%) 角交換防止
△3五歩 598 (8.9%) 308(51.5%) 290(48.5%) 相振り乱戦狙い
△2四歩 4 (0.0%) 3(75%)   1(25%) 疑問?
△1四歩 16 (0.2%) 11(69%) 5(31%) 様子見
△9二香 0 (0%) ---   --- 一手パス
△1二香 1 (0.0%) 0(0%)   1(100%) 居飛穴狙いの挑発?
△3三桂 2 (0.0%) 0(0%)   2(100%) 奇襲返し?
△7二銀 79 (1.2%) 41(51.9%) 38(48.1%) △7二金が一時的にできないが…
△6二銀 2069 (30.8%) 1067(51.5%) 1002(48.5%) 自然な一手
△4二銀 5 (0.1%) 3(60%)   2(40%) 角がタダ。終了
△3二銀 1 (0.0%) 1(100%)   0(0%) 角がタダ。終了
△7二金 23 (0.3%) 13(56.5%) 10(44.5%) 手堅い
△6二金 20 (0.3%) 12(60.0%) 8(40.0%) 鬼殺し対策の△6二金と同じ発想か
△5二金右 28 (0.4%) 14(50.0%) 14(50.0%) 中央強化
△5二金左 0 (0%) ---   --- 中央強化だが角側が薄い
△4二金 3 (0.0%) 3(100%)   0(0%) △4二玉と同じ発想で一理ある
△3二金 72 (1.1%) 26(36.1%) 46(63.9%) 2二を強化して▲5五角を無効化
△6二玉 0 (0%) ---   --- 相手の攻め駒に近づいて疑問
△5二玉 1 (0.0%) 1(100%)   0(0%) 中住まいで戦うなら一理ある
△4二玉 465 (6.9%) 234(50.3%) 231(49.7%) 有力な対策
△3三角 23 (0.3%) 13(56.5%) 10(43.5%) 相振飛車(向飛車)狙い
△4四角 0 (0%) ---   --- 飛香落・上手トンボ刺しの発想?
△5五角 0 (0%) ---   --- 角がタダ。終了
△6六角 0 (0%) ---   --- 角がタダ。終了
△7七角成 0 (0%) ---   --- 角がタダ。終了
△7七角不成 0 (0%) ---   --- 角がタダ。終了
△8八角成 170 (2.5%) 92(54.1%) 78(45.9%) 乱戦狙い
△8八角不成 3 (0.0%) 1(33%)   2(67%) △8八角成と同じ発想で、挑発狙い
△9二飛 0 (0%) ---   --- 意味不明
△7二飛 20 (0.3%) 10(50.0%) 10(50.0%) 向飛車の発想で一理あり
△6二飛 0 (0%) ---   --- 意味不明
△5二飛 31 (0.5%) 14(45.2%) 17(54.8%) なんでも中飛車?
△4二飛 123 (1.8%) 59(48.0%) 64(52.0%) 4三をカバーしつつ相振り狙い
△3二飛 115 (1.7%) 54(47.0%) 61(53.0%) 相振り乱戦

有力なのは、以下の8種類でしょう。

 ・「石田流本組み阻止」の△8四歩
 ・「自然な手」の△6二銀、
 ・「早石田対策」の△5四歩/△4二玉、
 ・「相振りOK」の△3五歩/△4四歩、
 ・「力戦志向」の△3二金/△8八角成


この中でも注目は△3二金。振飛車を明示しているのに△3二金とは一見無筋に見えますが、実際には後手が高い勝率を誇ります。これは一体どういうことなのでしょうか?そのあたりは後ほど。

ちょっと面白かったのは、△4二銀/△3二銀。これらの手は角がタダで取られてしまうので、当然ありえない手なんですが、何もなかったように継続されたのが計6局もあります。あまりにも早い段階でのポカは見過ごされてしまうのかもしれません。余談ですが、▲7六歩△3四歩▲7八銀は3局、▲7六歩△3四歩▲6八銀は5局ありました。

次項からは、採用数が多くて有力な「4手目」について、傾向と対策をさらに詳しく見ていきましょう。



< | 次 >

トップページ > 戦法研究所 > もうコワくない!早石田 > 4手目の傾向─採用率と勝率


Copyright(C) 1999-2012 【寄せの構造 with 棋書ミシュラン】 All Right Reserved