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■出だし4手で知る 石橋幸緒の将棋レシピ

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出だし4手で知る 石橋幸緒の将棋レシピ
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出だし4手で知る
石橋幸緒の将棋レシピ
知ると、もっと楽しくなる将棋・序盤の指し方
[総合評価] B

難易度:★☆〜★★

図面:見開き4枚くらい
内容:(質)A(量)B
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
初心〜初級向き

【著 者】 石橋幸緒
【出版社】 長崎出版
発行:2011年5月 ISBN:978-4-86095-458-1
定価:1,995円(5%税込) 288ページ/21cm


【本の内容】
第1章 予備知識 ・盤面の位置の呼び名など(升目の符号)
・棋譜の読み方
・駒の並べ方と先手・後手の決め方
20p
第2章 将棋の全体像を知ろう ・全体像(構造)の基本(1)─2大戦法
・全体像(構造)の基本(2)─2大戦法の組み合わせ
・それぞれの戦法の中身は?
・次は、玉を“囲う”お話
52p
第3章 将棋の出だしを知ろう ・まず、初手の種類
・次に、2手目の種類
・立ち上がり2手の組み合わせ
・3手目の種類
30p
第4章 将棋は出だしの4手で
戦法が決まる
・初手▲2六歩の出だしから4手目まで
・初手▲7六歩の出だしから4手目まで
22p
第5章 将棋の戦法を知ろう (1)相掛かり戦法(縦歩取り・ヒネリ飛車)
(2)先手居飛車vs後手振り飛車戦法
  (△四間飛車vs▲5七銀左戦法)
(3)角換わり戦法(相腰掛け銀/▲棒銀)
(4)中飛車戦法(▲ゴキゲン中飛車)
(5)矢倉戦法(矢倉崩し成功例)
(6)横歩取り戦法(アラカルト)
(7)先手振り飛車vs後手居飛車戦法
  (▲三間飛車vs△7三桂)
144p
  ★上達のために
知っておくこと
・形勢判断の基準
 (1)駒の損得 (2)手の損得 (3)手番の有無
 (4)遊び駒の有無 (5)玉の堅さ
・新聞観戦記の利用
12p

・【コラム】ちょっと一服・サッチャンの部屋(マナーのお話/用語のお話(1)〜(4)/格言で覚える「囲い」

◆内容紹介
読者に将棋の全体像を理解させ、体系だった説明により序盤の基本的な指し方を知ってもらう。出だしの4手からチャート式に戦法を解説した、これまでにない画期的な将棋の指南書。
これまでにない切り口の本で、初心者のみならず、指導側のテキストとしても十分、活用できる。大人向けの再入門書としても最適。


【レビュー】
序盤の手の意味を初級者向けに解説した本。

序盤を解説した本には、「定跡書」「指南書」の類がたくさんある。ある程度戦法を絞って、中盤や終盤の入り口までを解説するのが定番だ。

しかし、初級者にとっては、まずそこまでいくのが難関。それに、どういう展開があるのか分からないものだ。「矢倉を覚えなさい」と言われて一生懸命24手組を覚えても、相手が2手目△3四歩を指してきたらどうしようもないし、そもそも後手になったときに困ってしまったりする。

また、序盤は駒がぶつからないので、初級者は漫然と指してしまいがちだ。一方、有段者は何気ない序盤でも一手一手に意味と意思を持って指している。

本書は、そういった初級者向けに、序盤4手までの意味と展開を詳しく解説した本である。

こういう本は今までに意外とない。『羽生善治のみるみる強くなる 将棋 序盤の指し方 入門』(羽生善治監修,池田書店,2009)では、初手(1手目)について、全30種類の手を非常に詳しく解説していたが、4手目までちゃんと解説した本は記憶にない。しかし、有段者を目指すなら必ず身につけるべき知識の一つであろう。

各章の内容を簡単に紹介していこう。

第1章の「予備知識」は、初級者向けに棋譜の読み方を詳しく解説。新聞や雑誌の棋譜をスムーズに読めるように、消費時間の表記や、誤解しやすい「左」「右」「直」などの付記表記について、丁寧に説明している。

なお、駒の動きや反則などのルールについては特に触れておらず、基本ルールはマスターしているのが前提となっている。

第2章の「将棋の全体像を知ろう」は、2大戦法である居飛車と振飛車について、組み合わせで派生する戦法を簡単に紹介。説明が一段落したとき、チャート図によるまとめが入るようになっている。

また、第2章後半では、囲いの重要性と形の紹介、組む手順までを解説。囲いを組めることと、相手の手順で囲いを察知することは上達に欠かせない要素なので、ソラで組めるようになるまで、盤駒を使って練習しておきたい。

なお、「銀冠」が元々は居飛車側の言い方だったというのは知らなかった。現在の銀冠が昔の本では高美濃と言われているのは、何度か見たことがあるのだが。

第3章の「将棋の出だしを知ろう」は、初手から3手目までを細かく解説。特に2手目までで先の展開が変わってくることを重視している。

第4章の「将棋は出だしの4手で戦法が決まる」は、本書のメインテーマ。4手まででほとんどの展開が予測できることを解説。出てくる戦型は、相掛かり、対抗形模様、角換わり、▲中飛車、矢倉、横歩取り。

第5章の「将棋の戦法を知ろう」は、第4章で出てきた戦型について、基本定跡を解説していく。序盤の指し手の意味を1手ずつ丁寧に解説しているのはかなり良い点。普通の定跡書なら「こういうものだと覚えてください」で済まされてしまうところである。

全体的に、1手ずつの手の意味を重要視しているのはすばらしい。「棋は対話なり」を初級者向けに解説している感じだ。序盤の数手で何を指してよいか分からない人には必読だ。具体的には、下図のチャート(第4章p122〜123の「将棋の出だし4手チャート(基本例)」に載っていない手を指している人は、基本ができていないと思われるので、ぜひ本書を読んでほしい。


一方、物足りない点もある。上図のように、最近の流行である▲石田流や△ゴキゲン中飛車について、ほとんど触れられていない(ゴキゲン中飛車を先手で指したければ▲1六歩で様子を見る、などはちょっと書いてあった)。また、2手目△3二金や2手目△3二飛、端歩で様子見、手損で角交換など、プロでも時折指される変則的な出だしもほとんど書かれていない。

これらを自分で指すのは基本ができてから、というスタンスだと思われるが、相手にやられたときに意味が分からないと困るのではないだろうか?

また、「詳しくは他の定跡書で」というのが基本スタンスであるが、具体的な書名や探し方の紹介はなかった。現代は定跡百科系のシリーズがあまりないので、初級者が自力で探すのはつらいかもしれない。「棋書ミシュランで探しましょう」とひとこと書いてくれればいいのに(マテ)

初級者で、初手からの指し手を理由づけて、理論的に指していきたい人には、十分Aレベルでオススメ。見よう見まねで指していける人や、逆にもっと網羅的な展開を知りたい人にはあまりオススメできない。

個人的には、(無意味な手は除いて)実戦でありうる展開を網羅的に綴ってあるのかと(勝手に)思っていたので、やや肩透かしを喰らわされた気がする。(2011May31)

※誤植・誤字等(初版第1刷で確認):
p69 ?「ちょっと二服」 目次も同様になっている。本書ではコラムが「ちょっと一服」というコーナーになっているが、コラムが連続しているのでちょっとシャレてみたようだ。もちろん「二服」という慣用表現はない。
[全体] 盤面図がクリアなものとちょっとボヤけているものがある。画像化したものを使ったようだが、縮小・拡大したものだけでなく、同じ大きさの図面でもクリアなものとボヤけたものがある。
p167 ×「どの手を指し手も一局で」 ○「どの手を指しても一局で」



【関連書籍】

[ジャンル] 
総合定跡書
[シリーズ] 
[著者] 
石橋幸緒
[発行年] 
2011年

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