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■康光流 超実戦の詰将棋 初段 150題

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康光流 超実戦の詰将棋 初段 150題
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康光流 超実戦の詰将棋
初段 150題
一段玉、二段玉、三段玉を攻める
[総合評価] B

難易度:★★★
   〜★★★★

見開き1問
内容:(質)A(量)B
レイアウト:A
解答の裏透け:C
解説:B
中級〜有段向き

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【著 者】 佐藤康光
【出版社】 成美堂出版
発行:2016年11月 ISBN:978-4-415-32234-6
定価:740円+税 319ページ/15cm


【本の内容】
第1章 一段玉を攻める!
第2章 二段玉を攻める!
第3章 三段玉を攻める!
第4章 長手数問題を攻略!

◆内容紹介(「はじめに」より抜粋)
本書では、前書(『
康光流詰将棋の極意 初段・二段・三段』,2008)に続き5手詰から13手詰までの詰将棋150題を収録した。雑誌「週刊ゴルフダイジェスト」に連載した問題から選んだが、いくつか修正、改良して出題した。あまり駒数も多くなく、実戦型が多いので、普段手数の短いのばかり解かれ、手数が長いという理由で敬遠されていた方も是非とも挑戦していただきたい。手数は長くても、妙手はそれほど多くない。

また、今回の特色として章立てを手数順だけでなく、玉の位置で決めた。まずは基本となる一段玉から、実戦で現れそうな二段玉、混戦になると現れそうな三段玉、それ以上は出てこない。それぞれに特徴があり、まとめて解けばそれなりにコツがつかめるのではないか、と思っている。


【レビュー】
初段向けの詰将棋問題集。

本書は、佐藤康光九段の8年ぶりの詰将棋本。「週刊ゴルフダイジェスト」に連載した問題を撰集(一部修正・改良)してあり、本人による創作である。

今回は、出題を「玉の位置」で分類。第1章・一段玉、第2章・二段玉、第3章・三段玉の3種類で、第4章の長手数(13手詰)を含めて、中段玉や入玉形は出てこない。中段玉以上だと解く気が失せてしまう人には朗報だ。


本書のレイアウトは〔右図〕のようになっており、問題ページに表示されている内容は以下の通り。

 (A) ○手詰 (手数表示)
 (B) ○分で○段 (棋力の目安)
 (C) タイトル (10字程度)
 (D) 問題図 (図面は駒形使用)
 (E) 康光's ヒント (20字程度)


問題図を除くと、ヒントが4つある様な感じになっている。少し詰将棋に慣れた人なら、タイトルや「康光's ヒント」で分かってしまうかもしれないので、気になる様なら見ないようにしよう。もちろん、ヒントを見て解くのも一興で、私は「それも作品のうち」だと思って、見て解いた。

解説は150字程度。図面は2つor3つで、失敗例が書かれたものもある。特徴的なのは、同手数変化を「○手目△△でも正解」とちゃんと書いてくれているところで、康光先生の優しさを感じる。


本書の手数、目安時間、棋力の目安を一覧にすると、以下のようになる。



5〜9手詰は比較的易しめだったと思う。もちろん、時折難しめのものもある。ほとんどの問題は、棋力の目安が初段になっているが、免状四段のわたしだと目安時間の1/5〜1/3くらいで解けてちょうどいい感じだった。三〜四段くらいの方は、「10分で初段」くらいのものを1分以内に解けることを目指したい。

なお、本書は玉の位置で章分けされていて、一段玉→二段玉→三段玉の順にわずかに難易度が上がることになっているが、あまり気にする必要はなさそう。例えば、第2章(二段玉)の最後の方は、第1章(一段玉)と同様に「11手詰め・15分で初段」だが、二段玉の方がやや易しく感じたくらいだ。(※個人の感想です。単に、前から順に解いていったので解き慣れただけかもしれない)


目安の時間は、第3章までは難易度とおおむね一致していると思う。

第4章の目安時間は結構ばらつきが大きく、同じ「7分で初段」でも、第3章までの「7分で初段」よりもずっと難しく感じた。また、第140問〜第144問あたりは難しめの「初段」問題が続く一方で、そのあとの「二段」問題は案外サラッと解けてしまった。第4章の目安時間は、あまり気にしないほうが良いかもしれない。



さて、総括。

本書は「初段向け」であり、詰将棋が得意な「初段」なら、ちょうど良いと思う。詰将棋が苦手な「初段」の人には少々しんどい部分も多いと思うので、3〜7手詰の別の本を先にやった方が良さそう。

実戦的な詰め方が多いので、指し将棋で二段以上を自負している人には、終盤のトレーニングの一環としてちょうど良く、オススメできる。自分で目標タイムを短めに設定していけば、高段者のトレーニングまで対応できそうだ。



※誤字・誤植等:(初版(?)で確認)
p116解説 ×「6手目は…」 ○「4手目は…」



【関連書籍】

[ジャンル] 
詰将棋
[シリーズ] 
[著者] 
佐藤康光
[発行年] 
2016年

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