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■終盤力がアップする 詰めろ将棋273題

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終盤力がアップする 詰めろ将棋273題
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終盤力がアップする
詰めろ将棋273題
[総合評価] A

難易度:★★★
  〜★★★★☆

見開き2問
(一部は見開き1問)
内容:(質)A(量)A+
レイアウト:A
解答の裏透け:A
解説:B+
上級〜高段者向き

【著 者】 森信雄
【出版社】 実業之日本社
発行:2016年10月 ISBN:978-4-408-41444-7
定価:1,100円+税 376ページ/15cm


【本の内容】
・この本の特徴=5p
PART1 詰めろをかける(001〜136)
PART2 詰めろを逃れる(137〜273)
・【コラム】「村山聖を想う」 (1)内弟子に来た頃 (2)前田アパートの思い出 (3)大局観 (4)聖の一念 (5)映画「聖の青春」

◆内容紹介
好評の前作『
詰めろ将棋』に磨きをかけ、ますます充実の革命的「詰めろ」将棋問題集。

勝つための「詰めろ問題」136題に、負けないための「詰めろ逃れ」137題。圧倒的ボリュームでトン死、逆転負けを一掃。この一冊で終盤力がみるみるアップ!!

また、「聖の青春」で一躍有名になった故・村山聖九段との思い出を綴った書き下ろしコラム「村山聖を想う」も5編収録。以下はその一部。

村山聖新七段の祝賀会だったと思うが、記念品に直筆の色紙を参加者全員に配ったことがある。
(中略)
「大局観」と書いた字があまりにうまかったのである(参ったなあ…わたしよりもはるかにうまい)
そして100枚余りの色紙を書いてもらうことになった。
(中略)
「ある時に村山聖に色紙を頼んだら
「この世に何も残したくないのでお断りします」と言われて唖然とした。
「そうかしょうがないな…でもこれを書いてから」
しぶしぶ何とか誤魔化して書かせた記憶がある。
それ以来その謎めいた言葉の意味を知ることが私のテーマとなった。


【レビュー】
「詰めろ」と「詰めろ逃れ」の問題集。『詰めろ将棋』(2016.05)の続編・第2弾。

基本的には前作『詰めろ将棋』と同じ。「詰めろ問題」は互いの持駒が限定されている状況で必至をかける問題で、、「詰めろ逃れ問題」は同様に互いの持駒が限定されている状況で詰めろが続かなくなるまで受ける問題となる。

どちらの問題も、単純に感覚だけで指し手を決めるのではなく、しっかりとした読みの力が必要となってくるので、終盤のトレーニングにはとても有効である。

前作『詰めろ将棋』との違いを挙げてみよう。



●全体的に難易度がアップしている。
難易度は前作同様に★の数(★1〜★5)で表示されているが、★1〜★2の難易度は前作よりも格段に高く感じた。本書では、★1でもきっちり読み切るには二段〜三段くらいの力が要りそう。一方、★3〜★5の難易度はあまり変わっていない感じ。「有段者向けの問題集」になったといえる。


●トリッキーまたはテクニカルな問題が増えた。
打歩詰回避や趣向的なもの、詰将棋的なテクニックが必要な問題が増えた。特に、詰めろ逃れ問題では、打歩詰めに誘導して凌ぐ問題がかなり多くなっているので、常に意識しておきたい。


●村山聖のエピソードが載っている。
故・村山聖九段の師匠が著者の森信雄。ノンフィクション作品『聖の青春』が映画化された(2016.10)のに合わせる形で、師匠の思い出エピソードが載っている。全5編のコラム。一番いいなと思ったエピソードは以下のところ。

創作次の一手スーパートリックの問題の検討は村山君に依頼していた。…(中略)「僕は(問題の不備を)潰す人、森先生は作る人ですからね」こういう時間が好きだった。」(p114より抜粋)

……後で確認したら、わたしが抜き出した箇所は、オビ裏に載っていたものと全く同じだったorz 今は、検討役はだれが担っているのだろう?

なお、コラムにページを割いた分(?)、問題量は前作よりもわずかに減っている。(前作は計280問、本書は計273問)



以上の部分からは、前作と評価を変える必要はなく、S相当。なのだが…ひとつ大きな問題がある。

●本書は誤植がとても多い。
誤字・誤植の一覧はいつも通りレビュー文末にまとめてある。半分程度は軽微な誤植だが、問題が不成立になる図面間違いが2つ、解説の大きな間違いが2つあって、かなり重大。

評価の2ランクダウンも考えたくらいだが、過去にあった誤植∞の棋書に比べれば…と思って1ランクダウンにとどめた。第2版で修正されていればSに戻したい。ただ、本書の発売が2016年10月、わたしが本書をAmazonで購入したのが2017年6月と、発売から8か月経っても初版だったので、第2版が出るのは当分先なのかも…



【総評】
詰将棋や一般的な必至問題では鍛えにくい部分の力が付くので、終盤の筋力アップにはとても有効。

前作『詰めろ将棋』をまだ未体験の人は、本書よりもまず前作にトライしてください。前作の★3以上がちょうどよかった人は、本作もガッツリ楽しめるはず。

ただし、トライし始める前に巻末の版を確認し、「初版第1刷」だった場合は、下記の「誤字・誤植等」での付いた箇所だけでもメモっておいて、該当ページに付箋で貼り付けておいてください。(2017Jul08)


※誤字・誤植等(初版第1刷で確認):
p6 ×「△2三玉で不正解…」 ○「△2二玉で不正解…」
p61 問題047 ×▲3二銀の配置(※▲2三金までの1手詰。詰めろ問題が不成立 ○▲3二銀を▲4一銀or▲4三銀に移動させる(問題048との関係で、おそらく▲4一銀が作意)
p104上段 ×「▲2四桂△同馬…」 ○「▲2四桂△同銀…」
p104上段 ×「△2三金▲同馬…」 ○「△2三金は▲同馬…」
p122上段 ×「△五銀打で…」 ○「△3五銀打で…」
p140上段 ×「(参考図で受けなし。」 ○「(参考図)で受けなし。」
p208上段 ×「△7七歩に▲同馬△同金、」 ○「△7七歩に▲同馬△同金▲同桂、」
p214上段 ×「▲2八歩は△3八桂成▲2三飛△1四桂で受けなし。」 ○「▲2八歩は△3八桂成で受けなし。」(※△3八桂成に▲2三飛は△2八成桂▲同玉△2七角成▲3九玉△4九歩成で詰み)
p214下段 ×「△3八角成」 ○「△3八馬」
p214下段 ×「▲3六金で▲2七金は…」 ○「▲2六金で▲2七金は…」
p218上段図面 ×△8六歩がない ○△8六歩を追加する
p262下段 ×「△5五馬▲9七玉…」 ○「△5五馬行▲9七玉…」
(※馬が2枚いるので区別が必要)
p268下段 △「▲2八歩なら△3六桂で受けなし。」 ○「▲2八歩なら△2六桂▲2九玉△3八金で詰み。」(解説通りでも間違いではないが、詰みがある)
p276下段 ×「△2七歩成▲3九玉△4七角成▲5九玉で…」 ○「△2七歩成▲3九玉△4七角成▲4九玉で…」
p279 問題221図面 ×「7三飛」 ○「7三飛」(※△7三飛だと、作意の▲5五角には△7八飛成で、▲2六歩としても△2八金▲1七玉△1八金▲2七玉△3八龍で詰むため、受けがない。詰めろ逃れ問題が不成立
p282下段 ×「△3八銀に▲3五銀…」 ○「△3八銀に▲3五銀右…」
p284上段 ×「竜を一括する」 ○「竜を一喝する」
p308上段 ×「△1九成桂は…」 ○「△1八成桂は…」
p352図面(2枚とも) ×「▲9九歩」 ○「▲9九香」



【関連書籍】

[ジャンル] 
必至問題集
[シリーズ] 
[著者] 
森信雄
[発行年] 
2016年

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