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■先崎学のすぐわかる現代将棋

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先崎学のすぐわかる現代将棋
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NHK将棋シリーズ
先崎学のすぐわかる現代将棋
[総合評価] A

難易度:★★★
   〜★★★☆

図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)B
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
中級〜上級向き

【著 者】 先崎学 北尾まどか
【出版社】 日本放送出版協会
発行:2010年7月 ISBN:978-4-14-016184-5
定価:1,050円(5%税込) 222ページ/19cm


【本の内容】
第1章 進化するゴキゲン中飛車 ・ゴキゲン中飛車の誕生
・5筋位取り中飛車の攻防
・居飛車党の意地▲7八金
・常識を超えた▲2二角成
・ゴキゲン中飛車vs居飛車穴熊
68p
第2章 よみがえる石田流三間飛車 ・石田流の基本と現代流▲7七銀
・石田流対策の△7二飛と棒金
・超急戦!早石田と新戦法
・△3二飛戦法、新たな可能性
68p
第3章 なんでもあり角交換振り飛車 ・角交換振り飛車の基本と狙い
・単純明快!一手損向かい飛車
・△3三角戦法と最新の対策
64p

・【コラム】対イビアナ!振り飛車反撃のドラマ/三間飛車はこれからの成長産業/楽しく攻めて勝ちましょう
・【スペシャル対談】羽海野チカ×先崎学=16p

◆内容紹介
「現代将棋」の中でも人気の高い、ゴキゲン中飛車、石田流三間飛車、角交換振り飛車、の最先端の傾向と対策がバッチリわかる。


【レビュー】
角交換系の振飛車の解説書。2009年度後期に放送された同名の講座から、角交換系の振飛車に関する内容を撰集して単行本化したもの。

「角交換を厭わない振飛車」が流行している。ゴキゲン中飛車は居飛車党も積極的に採用している。石田流は昔からあり、アマでは愛好者が多かったが、プロではあまり使われていなかった。しかし、棒金対策が整ったこと、超序盤に新しい指し方がいくつも見つかったこと、升田式石田流が新しい仕掛け筋の発見で手詰まりになりにくくなったこと、2手目△3二飛の発見で後手でも石田流を指せるようになったことなど、いくつもの発見があったことで、スペシャリストを中心に流行している。そして、手損をものともしない角交換振飛車が市民権を得て、4手目△3三角戦法の登場に至り、現在ではほぼ全ての戦法を巻き込んだ流行となっている。

逆に、ここ数年の急激な変化についていけてない人も多いと思う。さらに、角交換系の振飛車は序盤の落とし穴や激しい変化が非常に多く(それが魅力の一つでもあるが)、指しこなすにはある程度の基礎知識が必要となる。

本書は、そのような近年流行している角交換系の振飛車の狙いや思想・考え方、序盤の基礎知識を初段前後の人にもわかりやすく解説した本である。

本書の場合、解説の難易度を下げるためにココセを指させるという手法は採っていない。プロも指している内容を、考え方を中心に上手く言語化している。難しい変化は「難しい」と言い切って、基本的な方針を示すにとどめている。

このやり方は成功していると思う。10年前なら考えられなかった「変な序盤」について、現在のプロがどういう思想で指しているのかすごく分かりやすい。イメージとしては、『最新戦法の話』(勝又清和,浅川書房,2007)と似た本だと思ってよいだろう。『最新戦法の話』よりは、(1)約3年分最新で、(2)やや対象棋力を下げてあり、(3)角交換系の振飛車に絞っている、という感じである。

本書の内容をザッと書き出しておこう。(目次には書かれていない部分を補完してあります。サブタイトルは適当につけました)

第1章 ゴキゲン中飛車
 ◎ゴキゲン中飛車の誕生
  ・超急戦は不成立
  ・5筋位取り中飛車からの捌きの例
 ◎5筋位取り中飛車
  ・▲4七銀-7七銀(二枚銀)
  ・▲3七銀急戦
 ◎▲7八金型
  ・初期の形
  ・流行した「馬作らせ定跡」
 ◎▲2二角成(新丸山ワクチン)
 ◎ゴキゲン中飛車vs居飛車穴熊
  ・△美濃囲い
  ・相穴熊

第2章 石田流
 ◎石田流の基本と▲7七銀
  ・4手目のいろいろ
  ・旧来の▲7七桂型
  ・▲7七銀型からの仕掛け (※従来も▲7七銀型はあったが、▲6六銀→▲5五銀→▲4六銀とするのが主眼だった)
 ◎石田流対策の△7二金と棒金
  ・中原流△7二飛+佐藤康光の工夫 (※対石田流で困っている人は必読!)
  ・棒金戦法
 ◎早石田と新戦法
  ・6手目△8八角成 (※この辺は『
佐藤康光の石田流破り』(佐藤康光,MYCOM,2010)が詳しい)
  ・鈴木流早石田
  ・久保新手▲7五飛
  ・新戦法7手目▲7四歩△同歩▲5八玉! (※おそらく単行本初登場。これは見る価値あり!p124〜127参照)
 ◎2手目△3二飛

第3章 角交換振飛車(中飛車・石田流以外)
 ◎基本と狙い
  ・飛車先歩交換が成立するか否か
  ・△2五桂ポンの仕掛け
  ・角交換振飛車の攻め筋と考え方
  ・角交換振飛車穴熊(レグスペ)
  ・ダイレクト向飛車
 ◎4手目△3三角
  ・▲6五角問題
  ・△2五桂ポン
  ・対居飛穴の立石流
  ・居飛車の最新対策アラカルト
  ・△9筋突き越し型


これらの振飛車については、わたしは他書などを読んでそれなりの知識はあったが、一冊にまとめられたことで考え方が整理された。惜しむらくは、サブタイトルの付け方が検索に適していないので、興味のある(あとで再読しそうな)箇所は付箋をつけておくか、ページ数をメモしておいたほうがよい。


最後の羽海野チカ×先崎の対談は、なかなか面白かった。羽海野は将棋マンガ『3月のライオン』の作者で、先崎は将棋部分の監修者。対談の内容もザッと書き出しておこう。

【スペシャル対談】羽海野チカ×先崎学
 ・投了の大変さ、残酷さ、美しさ
 ・「投了くん」のアイデア
 ・対局中の棋士のおしゃべり
 ・大盤解説のおもしろトーク
 ・藤井
 ・羽海野が将棋マンガを描こうと思ったキッカケ (※構想10年!)
 ・「3月のライオン世代」


個人的には、ラストp222の島田八段(『3月のライオン』のキャラ)へのコメントに感動した!

『3月のライオン』に島田八段というキャラクターが出てきます。この人は少女マンガだと、女性のファンがつかない容姿なんです。でも、将棋を一生懸命指している姿が、女性の読者にとってかっこよく見えるようになれば、私の勝ちだと思って描いています。一生懸命指しているとかっこよく見える…。

確かにパッと見は女性受けしないキャラであるが、読者で島田のファンは多いのでは?少なくともわたし的にはイチオシキャラだ。羽海野さんの「勝ち」です(笑) (2010Jul26)



【関連書籍】

[ジャンル] 
振飛車総合
[シリーズ] 
NHK将棋シリーズ
[著者] 
先崎学 北尾まどか
[発行年] 
2010年

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