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§3.0.2. 3手目▲7五歩の傾向(2)─勝率

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さらに、先手の棋力ごとに勝率を分析してみると、驚くべきことがわかりました。

先手の棋力 ▲勝(率) 勝率グラフ △勝(率)
全体 3458(51.5%) 3259(48.5%)
六段以上 34(73.9%) 12(26.1%)
五段 112(61.5%) 70(38.5%)
四段 240(50.2%) 238(49.8%)
三段 531(57.0%) 400(43.0%)
二段 277(53.5%) 241(46.5%)
初段 219(50.1%) 218(49.9%)
1〜2級 448(50.9%) 432(49.1%)
3〜4級 253(46.9%) 286(53.1%)
5〜6級 248(50.6%) 242(49.4%)
7〜8級 524(49.4%) 537(50.6%)
9〜10級 309(50.3%) 305(49.7%)
11〜12級 182(51.3%) 173(48.7%)
13〜14級 79(43.4%) 103(56.6%)
15級〜初心 2(50.0%)

(サンプルが少ないため非表示)

2(50.0%)

意外にもトータルの勝率はほぼ互角。『24万局集』全体では、先手の勝率は50.34%なので、それよりもわずかに先手の勝率が高くなっています。

二段から棋力が上がるにつれて、先手の勝率が高くなっていくのが分かります(なぜか四段では互角に戻っていますが)。そして、六段ではなんと先手勝率7割超!24で六段といえばプロに匹敵するクラスですが、プロクラスで勝率7割の戦法とは…!横歩取り△8五飛戦法はデビュー当時、後手の勝率が7割を超えていましたが、その後はほぼ互角に押し戻されています。100年以上の歴史がある石田流でこの成績は、驚嘆すべき結果だと思います。

逆に13〜14級ではむしろ先手の方が押し負けています。そして一般的なファン層である初段〜12級ではほぼ互角です。

奇襲のイメージが強い「3手目▲7五歩」ですが、実は序盤の超急戦では勝ちにくく、一方で先手が作戦勝ちしやすい戦型なのではないでしょうか?採用率のグラフで山が2つあることも考慮すると、「級位者は速攻・乱戦狙い、高段者は作戦勝ち狙い」といえそうです。



※『24万局集』はやや古いデータですので、『最強の棋譜データベース』(2004)や最新のデータでは、多少傾向のずれがあるかもしれません。



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