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表紙 | タイトル・著者・発行 | 内容 | 備考 |
次の一手集 定跡次の一手 二枚落銀多伝定跡 神崎健二 1997.12 |
二枚落ち▲銀多伝を解説した本。 二枚落ちの下手作戦は、大きく分けて「二歩突っ切り」と「銀多伝」があるが、本書では銀多伝を扱う。銀多伝は、神崎曰く「史上最高の定跡」で、考え方や手筋は平手に応用できるものも非常に多い。 〔内容〕 No.1〜No.5 序盤の駒組み No.6〜No.8 △6五歩型、▲5五歩の合わせからの仕掛け(先に銀損) No.9〜No.12 上手の金をいじめる指し方 No.13〜No.22 △6四歩型、▲4四歩の仕掛け No.23〜No.32 △6五金型 No.33〜No.39 神崎秘伝の上手紛れ手筋 ・△4二金は誘いのスキ ・上手、1筋攻め ・上手、9筋攻め ・上手、序盤で金を進出 ・上手、△6四歩-△6三金型 設問ごとのつながりの手順は省略されているので、チャート化は無理でした。別の資料(赤本など)を参照してください。 本書は、すでに銀多伝を実戦で指したことがある人向けで、ミスしやすい急所の手筋や、定跡の側道を確認したい人向け。 特に、No.33以降の「上手紛れ手筋」は、定跡書にはほとんど載っていない。下手の卒業試験としてやってくる上手も多いが、知っていれば、実戦で慌てて悪手を指すこともなくなるので、ぜひ見ておこう。 (2018Sep21) |
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次の一手集 定跡次の一手 居飛車党の指す振飛車 長沼洋 1997.11(2) |
「定跡次の一手」とあるが、ほぼ「実戦次の一手+自戦解説」。長沼(当時は居飛車党)の実戦譜から、仕掛け前から詰みまで、主に中盤の流れを数問ずつに分けて解説していく。 No.1〜No.16 △向飛車(図面は先後逆) ・急戦向飛車 No.17〜No.21 ▲5筋位取り中飛車@ ・3手目▲7八金からの変化 ・5筋位取りから、金銀を玉側に集めて9筋攻め No.22〜No.26 ▲5筋位取り中飛車A ・後手が棒銀ライクで来た場合 No.27〜No.33 ▲5筋位取り中飛車B No.34〜No.36 陽動振飛車 No.37〜No.39 向飛車編A 長沼は「駒取り坊主」という異名があるが、本書に出てくる将棋では「駒得重視」はあまりなく(No.32、38くらい)、代わりに「駒損回避」はときどき出てくる。「一気の大捌き」などはあまりない。この辺が「居飛車党の」というよりは「長沼流の」振飛車ということだろうか。 |
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次の一手集 定跡次の一手 飛車落ち腰掛け銀戦法 関浩 1997.10(2) |
飛車落ち▲腰掛け銀戦法(右四間飛車)を次の一手形式で解説した本。 上手の形は△3三桂跳ね・△6三金型に限定されている。「最も多い形に限定し、簡潔・明解を目指した」とのこと。 ポイントとなりやすい符号は、「▲3一角(△2二金と△6四Xの両狙い)」「▲4四歩(銀頭を叩く)」「▲3三X(▲4五桂が生きているうちに打ち込む)」「▲5六桂」など。これらに注意しながら読んでみよう。 〔チャート〕 ※序盤の△3三桂までの手順は省略されている ※[ ]は仕掛けのセット手順。 △3四歩▲7六歩△4四歩▲4六歩△3二金▲4八銀 △4二銀▲4七銀△4三銀▲5六銀△5四歩▲4八飛 △3三桂▲3六歩△6二玉▲3七桂△7二玉▲6八玉 △6二銀▲7八玉△9四歩▲9六歩△1四歩▲1六歩 △5二金▲5八金右△5三銀▲6八金直△6四歩▲7七角 △7四歩▲8八銀△6三金▲8六歩△7三桂▲8七銀 △6五歩▲4九飛(基本図) ├@△6四銀 (※6筋突き・8筋/2筋不突き型) ||[▲4五歩△同歩▲同銀!△同桂▲2二角成△同金▲4五桂] |├△4四歩▲5六桂! ||├△4五歩… ||├△5五銀… ||├△5五銀打… ||├△3七角… ||└△4二角… |├△3二金▲4四歩… |└△5五歩… ├A△8四歩 (※6筋突き・8筋突き・2筋不突き型) ||[▲4五歩△同歩▲同銀!△同桂▲2二角成△同金▲4五桂] |├△4四銀右… |├△6二銀… |└△4二銀▲4四歩 | ├△5二銀… | └△3二銀… └B△2四歩▲2六歩△8四歩 (※6筋・8筋・2筋すべて突いた型) [▲4五歩△同歩▲1五歩!△同歩▲2五歩!△同歩▲4五桂] ├△同桂▲2二角成△同金▲4五飛 |├△3二金… |└△4四歩▲2五飛△2三歩▲7五歩!… └△4四銀右▲3三桂成 ├△同銀… ├△同角… └△同金▲4二歩△5二銀▲4五銀△同銀▲同飛 △4四歩▲2五飛△2四歩▲2九飛 ├△1六歩… └△3一角… なお、赤本では△6五歩より△8四歩の方が優先されており、微妙に形が違う。@の変化はなし、Aは合流してほぼ同じ変化があり、Bは仕掛け方が異なる(別の形で本書と同様の仕掛けが載っている)。 ここまで形を限定しても丸暗記で済まないところが飛車落ちの難しいところだが、数多くのバリエーションを知ることで必ず読みの力に役立つはずだ。定跡書を複数持っている人も、一読の価値はある。 |
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