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■「将棋世界」誌の付録:1996年

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次の一手集
定跡次の一手 横歩取り△3三角戦法

北浜健介
1996.12(1)
横歩取り△3三角戦法(別名=空中戦法)の戦術書。

・△8五飛戦法はまだ出ていない時代。
・基本的に後手の囲いは中住まいで統一。
・先手は▲6八玉-3八銀-4九金と中住まいのいずれか。最後にちょっとだけ中原囲いが紹介されている。
・青野流(▲3四飛型で▲5八玉)はすでに言及がある。(ただし「手将棋模様」(p6)とされている)
・後手は歩損の代償を求める将棋になる。

初手より
▲7六歩△3四歩▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩
▲7八金△3二金▲2四歩△同歩▲同飛△8六歩
▲同歩△同飛▲3四飛△3三角▲3六飛△8四飛
▲2六飛△2二銀▲8七歩
〔右上図〕
├△5二玉
|├▲6八玉△7二金▲3八銀△6二銀
〔左下図〕
||├▲3六歩△8六歩▲同歩△同飛▲3五歩△8五飛▲7五歩
|||├△同飛…
|||└△2五歩▲同飛△7五飛▲7七角△7四歩…
||└▲4六歩△8八角成▲同銀△3三桂▲4七銀△2五歩…
|└▲5八玉
| ├△7二金▲3八金△6二銀▲4八銀△1四歩▲1六歩
| |△9四歩▲9六歩△7四飛
〔右下図〕▲7七角△同角成▲同桂
| |△3三桂▲6八銀△2五歩▲6六飛△2四飛▲2七歩
| |├△2三銀▲7七歩△3四銀▲8六飛△8三歩▲5六角
| ||├△6一角▲6六歩△3五銀…
| ||└△2六歩▲同歩△7四歩▲同角△8四角…
| |└△8四飛
| | ├▲7五歩△5四角…
| | └▲5六飛△2三銀
| |  ├▲7五歩△7四歩…(第36期王位戦6, ▲羽生善治△郷田真隆)
| |  └▲3六歩△3四銀▲3七桂△3五歩…
| └△1四歩▲1六歩△8八角成▲同銀△3三桂…
└△4一玉


近年でも、先手の玉の位置で将棋の質が変わることが試行錯誤されているが、1996年当時も状況は同じ。

・p12「▲6八玉の方が後手に主導権を握られ易い」
・p36「(▲6八玉-4六歩の方が)一歩得が生きる流れになるように思います」
・p38「5八玉の方が圧倒的に多い」「5八玉と上がれば、飛車を2八に押さえ込まれることはない」

後手の構え方で考え方が変わる部分もあるので、当時の考え方に触れておくのも良いだろう。「実は昔の指し方で良かったんだ」ということはよくある。(2019年現在は、後手が中住まい-金開きを採用することはほとんどないが、将来あるかも?)

(2019Nov30)
 

 


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