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大野の振飛車 大野八段自戦記 実戦名局30番 |
[総合評価] B 難易度:★★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:B 解説:A 読みやすさ:B 上級〜有段向き |
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【著 者】 大野源一 | ||||
【出版社】 弘文社 | ||||
発行:1971年 | ISBN: | |||
定価:450円 | 285ページ/18cm |
【本の内容】 | |||||||||||||||||||||
◆内容紹介(序文より抜粋) |
【レビュー】 |
大野源一八段(当時)の自戦記集。 アマ・プロ問わず人気の振飛車。振飛車そのものは江戸時代からある戦法だが、「飛車を振って美濃囲いにし、駒のサバキで強く戦う」という現代振飛車の祖となったのが大野である。“後手番の消極的戦法”と見られていた振飛車を先手番でも積極的に採用し、高勝率を上げた。大野に影響を受けた升田・大山がタイトル戦で振飛車を連採した結果、今日の振飛車ブームがある。 本書でも、全30局のうち、19局が大野先手の将棋。飛車を振る位置はさまざまで、中には序盤早々に角交換させる「大野流向飛車」や相振飛車もある。まさに“変幻自在”な振飛車だ。 大野流向飛車は、本書では「角交換型」「角換わり型」として、計4局載っている。大野流向飛車は先手番の戦法で、初手から▲7六歩△3四歩▲5六歩△8八角成▲同飛△5七角▲6八銀△2四角成(右図)となる。序盤早々に角交換を誘い、馬を作らせて「馬vs持ち角」の対抗で勝負する独特の作戦だ。「どうやら馬の方が強い」ということで現代ではほとんど指されていないが、知ってみる価値はある。 大野の振飛車は、左銀の使い方が特徴的。7九→6八→5七→4六→3七と動くことが多い。もちろん相手の動きに合わせて変幻自在に活用している。また、居飛車側の対策が未熟ではあるが、大野のサバキは絶品。並べていて「見事!」と唸る将棋が多かった。 “元祖振飛車”大野の自戦記集がこの一冊しか残っていないというのは非常に残念だ。(2005Apr30) |