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■囲の王

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囲の王
zoom
東京ネームタンク
かこい
囲の王
(電子書籍)
[総合評価]
C+
期待高め

絵:A
ストーリー:B-
構成:B
キャラ:B+


(電子書籍)

【著 者】 おちR
【出版社】 ナンバーナイン
発行:2018年11月 ISBN:
定価:216円(8%税込) 94ページ/約84MB


【本の内容】
※電子書籍です。
スキマで無料で読めるようです。

◆内容紹介
将棋が世界中で愛されるブレインスポーツとなった世界。そんな世界で「将棋で世界一を取る!」という約束した少女2人が織り成す、熱い友情と盤上の将棋物語!!!

〔第2話〕
生まれ故郷に襲い掛かった危機に挑む卜部あゆむの前に現れたのは盲目の天才詐欺師の王城環。問題を解決すると豪語する環と共にあゆむは闇のギャンブルに挑むが・・・!?
予測不可能!君にこの物語の勝利者を当てる事が出来るか!?


【レビュー】
女子の高校将棋を舞台とした将棋マンガ。電子書籍。


〔あらすじ〕
将棋が世界的な頭脳スポーツになった世界。幼なじみの「たまちゃん」と「かおりん」は、「先生」との将棋の「約束」を高校で叶えると指切りをして別れた。

そして5年後──。


〔主な学校〕
[継路高校]
読み方不明。主人公たちの将棋部がある高校。将棋部はユルイ。

[貴聖高等女学院]
読み方不明。女子将棋部は全国常連の実力。将棋部はガチ。


〔主な登場人物〕
[王城環(おうき・たまき)]
主人公、16歳、♀。たまちゃん。欧州将棋界で日本人初のジュニアトップランカー。ツリ目、ショートヘアで、キャップを後ろ向きにかぶっている。対局の挨拶時のみ、キャップを取る。

「約束」のため、継路高に転入してきた。
電子機器は苦手。

[桂香里(かつら・かおり)]
環の幼なじみ、16歳?、♀。かおりん。黒髪ロングヘアで長身。受け将棋。

環の転入時には将棋部を辞めていた。棋力も低いらしい…?


〔寸評〕
[タイトル名]
・「囲いの王」というタイトルは、第3話まででは由来が分からなかった。
・主人公がやたらと囲いに詳しいとかいうことではない。
・最初、囲碁マンガかと思った…。

[絵]
・対局シーン、手つき、盤面など、将棋シーンはよく描けており、迫力もある。かなりのハイレベルだと思います。
・各キャラの造形もきれいで、下手に“萌え”を狙っていないのも好印象です。
・蛭田だけなぜモンスター顔にした(笑)
・駒の絵もきれいです。
・盤はなぜか木目まで描いてあります。

[ストーリー]
・登場人物は女子のみ。
・3話分にギュッと詰めたせいか、展開が単調で早く、浅め。かおりんが戻るのがあっという間だった。
・登場人物のバックボーンみたいなものもあまりない感じ。
・「先生の約束」と、「かおりんが将棋を辞めた理由」のエピソード部は、もっと重みが欲しい感じ。
・「将棋が世界的な頭脳スポーツになった世界」という設定は、第3話までではほとんど無関係。

[将棋]
・ちゃんとモチーフとなった棋譜があるようで、将棋の内容はハイレベル。
・ただ、「受けの凄さ」を示すシーンがわずか7手で、せいぜいアマ三〜四段レベルだった。
・「決まり手」など、時折変なセリフがある。「決め手」ですね。
・「貴方の詰みを数えなさい」は決めセリフっぽいけど、言わないよなぁ…
・というわけで、作者さんが将棋に詳しいんだか知らないんだか、よく分かりません。あえて少年誌向けのセリフ回しにしているのでしょうか。


〔総評〕
すごくいいところと、違和感があるところが混在している印象です。絵と将棋シーンはほぼ◎、キャラは及第点だがもっと作り込んでほしい、ストーリーはもう一つです。

おそらく、本作品は、「商業誌やメジャー誌に連載するための登竜門的なもの」じゃないでしょうか。よく、少年誌の連載開始が決まる前に「(少なくとも)3話分のネームを編集者に見せる」という話を聞きます。仮にそうであれば、ストーリー展開が早すぎる点や、ちゃんと完結していない点も納得できます。

潜在能力はありそうで、続編orリメイク連載作品が出るなら、期待大だと思います。



【関連書籍】

[ジャンル] 
将棋コミック
[シリーズ] 
[著者] おちR
[発行年] 
2018年

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