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SUN-MAGAZINE MOOK 竜王が教える初心者必修の手筋! 渡辺流 次の一手 インタビュー&竜王の強さがわかる81の豆知識付き |
[総合評価] C 難易度:★☆ 〜★★☆ 見開き1問 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解答の裏透け:B 解説:B 初級〜上級向き |
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【著 者】 渡辺明/監修 | ||||
【出版社】 マガジン・マガジン | ||||
発行:2013年10月 | ISBN:978-4-89644-845-0 | |||
定価:800円(5%税込) | 192ページ/18cm |
【本の内容】 |
【構成】 相崎修司 初級編(第1問〜第27問) 中級編(第28問〜第54問) 上級編(第55問〜第81問) ・歴史に残る一手T〜V ・【インタビュー】「竜王」に訊く! (1)どうやったら強くなれますか? (2)渡辺竜王の強さの秘密! (3)竜王にとっての「タイトル」とは? (4)コンピュータ将棋について その1 (5)コンピュータ将棋について その2 ・渡辺竜王の実戦!次の一手集(1)〜(4) ◆内容紹介 脳トレ感覚でスラスラ解ける羽生三冠の詰将棋問題集、『羽生の一手詰』『羽生の三手詰』『羽生の五手詰』に続く将棋MOOKシリーズ第四弾に、竜王・渡辺明が登場!! 「初心者でも必ず知っておきたい手筋」をテーマに、三択で選ぶ簡単な局面の次の一手問題、三択で選ぶ難しい局面の次の一手問題、ヒントのみで解く次の一手問題をそれぞれ27問と渡辺竜王の実戦から採った次の一手問題を収録しています。 自分に有利な局面をつくり出す将棋の急所、攻めと受けの基本的な手筋がマスターできます。 さらに、竜王戦十連覇を目指す渡辺竜王の強さの秘密に迫るインタビューと竜王についての豆知識81本もあります。 もちろんバトルロイヤル風間氏のイラスト・4コマ漫画も収録。問題を解くだけでなく読んで楽しい誌面です。 |
【レビュー】 |
級位者向けの次の一手問題集。 2010年から2012年にかけて、1年に1冊のペースで「羽生のX詰め」(X=1〜5)シリーズが合計3冊出版された。一部のコンビニでも入手できて、詰将棋のほかにインタビューや豆知識、マンガなどバラエティに富んだ造りで、初心者向けの詰将棋本としてはまずまずだった。 最終巻の『羽生の五手詰』(2012.05)から1年以上が経過しており、すでにこのシリーズは完結したものと思っていたら、監修が渡辺に代わって、内容が「次の一手」に代わって再出発。それが本書である。 次の一手問題は全81問。第1問〜第27問が部分図で三択。第28問〜第54問は全体図で三択。第55問〜第81問は全体図で選択肢なしとなっており、徐々に難しくなっていく。 難易度の変化は緩やかだが、第1問が8〜10級くらい、最終第81問が1〜2級くらい、全問ノーミス正解で初段〜二段といったところだろうか。特に最初の方は、少し難しい問題では、失敗手を次問で立場を替えて咎めるパターンがいくつかあるのは○。一方、美濃崩しの問題などでは、さらに易しい基礎知識がないと初心者には厳しい(かもしれない)ものがいくつか見られた。 右図は第3問で、裏表紙にもある問題。中級以上なら易しいが、実戦ではうっかり▲3四銀とやってしまいそう。次の一手問題は、基本的に「最も自分を優勢に導く一手」を答えるものなので、正解はもちろん▲2三歩成以下の「ダンスの歩」である。 この問題で、正解を即座に理解できるものの、一瞬でも▲3四銀を考えてしまった人は、本書にトライする価値が十分にあるだろう。 一方、▲2三歩成以下どうして優勢になるのかわからない人は、本書を読んで強くなれる可能性があるものの、難易度の上昇がちょっとつらいかもしれない。 解答は、正解図1枚+失敗図or参考図1枚+解説文100字程度で、駒の移動を示す矢印は使われておらず、オーソドックスな図面。 問題図の最下段には、今回は「竜王まめちしき」が3行程度で載っている。渡辺竜王に関する豆知識や、周囲の棋士、観戦記者などが紹介されている。p39の「魔太郎」やp41の「東の魔王、西の王子」がここで載るとは思いませんでした。竜王9連覇してもカッコつけない、そこが渡辺のクールなところです。 過去作と同様に、十数問ごとに「渡辺インタビュー」があり、勝負に対するスタンスなどを訊いた内容になっている。また、ときどき挿入されるバトルロイヤル風間のイラストやマンガもスパイスが利いている。 コスパ的にも、これから強くなろうという級位者には悪くない…のだが、かなり大きな誤植(p127、下記参照)と中規模の誤植がいくつかあるのが減点ポイント。p181の竜王まめちしきより引用…「(構成担当の相崎さん、)しっかりしてくださいね」。誤植が直ればBにしたい。(2013Nov15) ※誤字・誤植等 p61 第27問 選択肢B △「6八金」 ○「6八金寄」 p62の解説部も同様。 p63 ×「生き当たりばったり」 ○「行き当たりばったり」 p109 ×「既定の成績を挙げ」 ○「規定の成績を挙げ」 p127 第55問コメント ×「棒銀が成功して〜」→次の第56問のコメントと同じ。本問は原始中飛車に対する反撃(2筋の継ぎ歩)がテーマなので、まったく意味不明になってしまっている。 p182 ×「特と味わって」 ○「とくと(or篤と)味わって」 p190 最上段の解答手 ×「▲8七歩成」 ○「▲8三歩成」 ※発売は2013年10月23日ごろだったのに、発行年月日は2013年12月5日になっている。かなり差が大きいが、雑誌扱いなのだろうか? |