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将棋連盟文庫 内藤のカンタン必至 |
[総合評価] A 難易度:★★★ 〜★★★★ 見開き1問 内容:(質)A(量)A レイアウト:A 解答の裏透け:C 解説:B 中級〜有段向き |
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【著 者】 内藤國雄 | ||||
【出版社】 日本将棋連盟/発行 マイナビ/販売 | ||||
発行:2012年2月 | ISBN:978-4-8399-4184-0 | |||
定価:1,155円(5%税込) | 416ページ/16cm |
【本の内容】 |
・必至問題=195問(1手必至=157問/3手必至=38問) 序章 必至と詰めろ=10p 第1章 一手必至39 〜2005年の付録から〜 第2章 一手必至39 〜2006年の付録から〜 第3章 一手三手必至39 〜2007年の付録から〜 第4章 一手三手必至39 〜2008年の付録から〜 第5章 一手必至39 〜2010年の付録から〜 ◆内容紹介 将棋世界の人気付録を書籍化する将棋世界付録傑作選シリーズの第1弾!! 本書は内藤國雄九段の一手・三手必至問題の付録を再編集して文庫化したものです。 必至は「難しい詰みより易しい必至」といわれるように、詰将棋よりも実戦での有用性が高い面があります。特に一手三手といった短手数の必至の形を知っているかどうかが勝敗を分けることもしばしばです。本書はそのような実戦に役立つ必至問題を巨匠内藤九段が195問出題、解説しています。 相手玉に必至を掛けて、「どうだ」と胸を張る快感を是非味わってください。 |
【レビュー】 |
1手〜3手必至の必至問題集。「将棋世界」誌の付録5回分を収録したもの。 内藤は、2005年以降に春から夏にかけて年1回、易しい必至問題集の付録を出している。本書は、現時点で最新の2011年を除いて、これまでの5回分の付録を1冊にまとめたものである。したがって、2005年から2010年までの将棋世界を定期購読している人にとっては、特に新しい内容はない。 各章の手数の構成は下図の通り。 また、各問には2行程度のヒントと、難易度(★1〜★5)が添えられている。正解した問題の★の下図を合計することで、おおまかな棋力判定(1級以下、初段、二段、三段以上)をすることができる。各章の難易度を平均すると、下図のようになる。 ただし、これは「★の数が適正」である場合には参考になるが、私の実感とは少し違っている。 私の実感では、各章の難易度は (易)5>3>4≒2≒1(難) だった。特に第1章・第2章は、★1〜2でも間違えた問題が多く、これらは時間を置いてリトライしたときもかなり間違えてしまった。間違えた問題は、「ひと目でそこに目が行く」というものでなく、必至後の詰み筋も少し分かりにくい物が多かった。逆に、第5章では★4〜5の問題でも難なく解けたものも多かった。★の数や棋力判定はホントに参考程度にして、あまり気にしないほうがいいかもしれない。 全体的には、比較的少ない駒数でバランスの良い配置が多く、「解いてみたい」という気持ちになりやすいと思う。 また、必至後の詰めはおおむね3手〜7手程度の詰将棋になっており、特に見どころのある変化は解答図に「△○○(の受け)ならどう詰ます?」と書いてある。問題図を解けなかった人も、解答図からの詰めを考えることで棋力アップにつながると思うので、トライしてほしい。 総合的には、とても満足できた一冊である。(2012Apr05) ※『内藤のカンタン必至』の出題ミス・別解等まとめ |