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高田流新戦略3手目7八金 | [総合評価] B 難易度:★★★★ 図面:見開き3〜4枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:B 解説:A 読みやすさ:B 上級〜有段向き |
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【著 者】 高田尚平 | ||||
【出版社】 毎日コミュニケーションズ | ||||
発行:2002年8月 | ISBN:4-8399-0464-2 | |||
定価:1,200円 | 221ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||||||||||||
◆内容紹介 |
【レビュー】 |
3手目▲7八金戦法の解説書。 矢倉戦は、「飛先不突き矢倉」が開発されて大きな進歩を遂げた。その意味は、「後回しにできる手は後回しにして、他に有効な手を指して序盤をリードする」ことである。この思想は、やがてさまざまな戦型に波及。角換わりも、「飛先保留型(▲2六歩止め)」が開発され、新たな道を歩き始めた。 本書の「3手目▲7八金」は、「初手から▲7六歩△8四歩▲7八金とすれば、飛先不突き(▲2七歩のまま)角換わりができるのではないか?」という発想から生まれたもの。前述の思想からすれば、確かに少し得になりそうだ。(もちろん2手目△3四歩の場合はできない) 後手には、主に二つの選択肢がある。「大した得ではない」と素直に飛先不突き角換わりを受けるか、それを嫌って矢倉などを選ぶかだ。 本書では、「それらの全てに対抗する手段がある」とし、中盤までのさまざまな展開を解説している。先手も後手の動きに呼応して、矢倉三手角や5筋位取り中飛車など、さまざまな戦型を指しこなす必要があるので、かなり大変かもしれない。 ただし、いずれの展開も損得はかなりわずかなもの。序盤からわずかでもリードを狙うプロらしい研究であるが、アマで角換わり腰掛銀も、力戦四間飛車も、5筋位取り中飛車も器用に指しこなせる人はかなり少ないと思う。実際の実用度はやや疑問符だ。 解説自体は平易で分かりやすい。「プロはいろんなことを考えて指してるんだなぁ」ということが分かれば、それで十分だと思う。(2007Aug18) |