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■フィードバック方式 定跡次の一手

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フィードバック方式 定跡次の一手
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初段への近道
フィードバック方式 定跡次の一手
[総合評価] A

難易度:★★★

見開き2問
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解答の裏透け:B
解説:A
中級〜上級向き

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【監 修】 深浦康市
【出版社】 日本将棋連盟
発行:2005年12月 ISBN:4-8197-0382-X
定価:1,575円(5%税込) 214ページ/21cm


【本の内容】
・次の一手問題=計200問
序盤感覚編 次の一手問題=60問(例題30問+下欄問題30問) 62p
仕掛け編 次の一手問題=80問(例題40問+下欄問題40問) 82p
寄せ手筋編 次の一手問題=60問(例題30問+下欄問題30問) 62p

◆内容紹介(「本書の手引き」より抜粋)
本書は、まず初段程度の次の一手の例題にチャレンジして、10分考えても解けなかった場合のみ、下欄の次の一手問題に取り組んでもらう、全く新しい方式です。この問題は一の例題に比べて、同じ手筋でも易しくなっているので、初めでどこでつまずいていたのかが分かります。理解したら、もう一度例題に挑戦してもらいます。繰り返し解いていくことで自分の弱点が分かり、対応策も見つけられ、棋力アップにつながるのです。また、自然に定跡の基本手筋も習得できます。


【レビュー】
初段を目標にする人が対象の次の一手問題集。

本書の最大の特徴である“フィードバック方式”とは、次のようなもの。

 ・似た手筋・思想・考え方を用いた2問がセットになっている。
 ・上段が初段クラスの問題、下段がやや易しい問題。
 ・上段が分からなければ下段にチャレンジし、もう一度上段に戻る(
フィードバックする)と、さっきよりも分かりやすくなっている。

“本書の手引き”には、「上段を10分考えても解けなかった場合のみ、下段に取り組む」と書いてあるが、もちろん上段が解けた場合も下段に取り組んで構わない。人によっては、下段を先に解く方が効率的だろうし、下段問題だけを先にすべて解いてしまうのもアリだ。この辺は各人が好みの学習法を採用してほしい。

問題のジャンルは、「序盤感覚編」「仕掛け編」はまさに“定跡次の一手”。定跡書によく載っていそうなものから変化手順まで、「初段クラスならマスターしたいもの」が厳選されている。とはいえ、単に定跡の知識を問う「ここはこう指すところです」的なものは少なく、「良くするための考え方重視」になっている。「寄せ手筋編」はいわゆる“終盤の定跡”で、60問中39問(65%)が部分図の問題。残りは全体図問題で、自玉との兼ね合いを考える必要あり。

問題のレベルは初段クラスにちょうどよい程度。難問奇問は皆無。三手の読みを問うものがほとんどで、多くても9手先くらいが読めればOK。また、問題のタイトルが強力なヒントになっているので、これを見れば難易度はグッと下がる。5級以下の人でも、最初の一手にたどり着けると思う。見たくない人は、半開きにすれば見えないようになっている。

解説は、単に正解の手順だけでなく、変化手順や失敗手順、考え方や思想・構想まで多彩で詳しい(MYC○M系の問題集とはえらい違いだ)。この解説は金子タカシ氏を髣髴(ほうふつ)とさせるが、本当の執筆者は誰なのだろうか?(深浦八段は“監修”)

「フィードバック方式」と聞いたとき、ゲームブック(Wikipedia)のようなものを想像していた。つまり、選択肢がいくつかあって、選んだ答えによって次に解くべき問題がどんどん変わっていき、レベル合わせをしながらステップアップしていくようなものかと。実際の本書はそこまで凝ったものではなかったが(笑)、全体の出来やバランスが非常に良いため、「使えるトレーニングブック」になっていると思う。税抜き1500円は問題集としては高いが、この質・量なら決して損をしたとは思わない。

唯一難点を挙げるとすれば「裏透け」か。たいした問題ではないが、レイアウトの工夫で防げただけに、惜しまれる。(2006May15)



【関連書籍】

[ジャンル] 
次の一手問題集(定跡習得系)
[シリーズ] 
[著者] 
深浦康市
[発行年] 
2005年

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