zoom |
塚田スペシャル物語 | [総合評価] C 難易度:★★★★ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)A(量)B 解説:B+ レイアウト:B 読みやすさ:B 上級〜有段向き |
||
【著 者】 塚田泰明 | ||||
【出版社】 日本将棋連盟 | ||||
発行:1989年2月 | ISBN:4-8197-0305-6 | |||
定価:880円 | 222ページ/19cm |
【本の内容】 |
1〜7章 △6二銀型での塚田スペシャル=87p 8〜11章 △7二銀型での塚田スペシャル=58p 実戦編=72p(8局) ◆内容紹介 「塚田スペシャル」が誕生して2年半。この戦法は従来の相掛りと大きく違い、序盤より超急戦を目指すものである。本書ではまだ新しい「塚田スペシャル」を講座編と実戦編に分けて解説している。 |
【レビュー】 | ||
相掛かり▲塚田スペシャルの定跡書。書名に"物語"とあるが、別に読み物ではない。 塚田SPは先手番専用の戦法で、相掛かりの序盤のかなり早い段階で動いていく。派手な戦いになりやすい印象があるが、基本的な狙いは、『一歩得か、1筋を詰めて作戦勝ち』。それを嫌って後手が動いてくると、乱戦になって先手の得が生きる戦いになりやすいというわけだ。また、次のような特徴がある。(本書より抜粋) ・玉捌きが面白い。相当危険を感じない限り玉を逃げないのがポイント。 ・受けか攻めか迷ったら、攻めを選ぶのがいい。 ・コンセプトは『序盤から隙あらば動く、隙がなくても動いていく』。 解説はまずまずまとまっているし、図面は十分な量がある。不満な点は、ページの隅っこの方に何も書いてないので、いまどこの章を読んでいるのか分からなくなるときがあることと、解説が見開き内で完結しないので、図面を見失いやすいこと。 なお、1991年に谷川竜王(当時)が塚田SP対策の決定版を出したため、プロ将棋では指されなくなった。緩急自在の指し回しが必要であるし、相掛かりという少々マニアックな戦型なので、アマ将棋にもちょっと不向きかも。普通の人は読む必要はないと思うが、相掛かり後手番を喜んで指すという人だけは覚えておくべし。(2002July28)
|