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先ちゃんの順位戦泣き笑い熱局集 | [総合評価] A 難易度:★★★☆ 図面:見開き4枚 内容:(質)S(量)B レイアウト:A 解説:S 中級〜有段向き |
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【著 者】 先崎学 | ||||
【出版社】 日本将棋連盟 | ||||
発行:2000年8月 | ISBN:4-8197-0255-6 | |||
定価:1,500円 | 239ページ/21cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||
◆内容紹介 |
【レビュー】 |
天才(天才肌?)・先崎八段の、楽しく面白い自戦記。面白い、といっても爆笑系の面白さではなく、文章力に引き込まれてしまう面白さだ。そしてときどきクスッと笑わせてくれる。 先崎は最近の若手では珍しい、破天荒タイプの棋士である。その性格が災いしてか、羽生のライバルと目されながらもC2で8年も苦しんでいる。その後はブレイクしたのか、駆け上がるようにA級に昇った。そんな先崎だから、自戦記にもとても人間味が感じられる。 本文には心情面がたくさん書かれているが、棋譜の解説もしっかりしている。ただし、序盤の細かい判断はだいたいはしょっている。もともと先崎は変な序盤が好きだし(初手▲3六歩が有名)、本文中にも「悪くならなければ、序盤なんて、どうやっても同じようなものだ」(105p)と書いてあるくらいだ。(この言葉から、どんな将棋を指すのかだいたい分かる) 順位戦のB1以下はあまり注目されないし、棋譜も埋もれるものが多い(一部が将棋年鑑に載るくらい)。しかし棋士にとってはもっとも負けられない棋戦である。そんな中で、本書は「棋士にとっての順位戦」を知ることができる、案外貴重な一冊である。 実はこの本は図書館で借りたのであるが、こんなに面白いのならば買っておけば良かった。何度も並べるタイプの実戦集ではないので、さすがに今から買う気はしない(笑)。(2003Feb16) |