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必勝!鷺宮定跡 | [総合評価] S 難易度:★★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)A レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 上級〜有段向き |
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【著 者】 青野照市 | ||||
【出版社】 日本将棋連盟 | ||||
発行:1986年2月 | ISBN:4-8197-0201-7 | |||
定価:2,000円 | 278ページ/22cm/H.C. |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
◆内容紹介(まえがきより抜粋) |
【レビュー】 |
四間飛車vs居飛車急戦の定跡書。特に山田定跡・鷺宮定跡・左4六銀戦法を詳しく解説。 本書の構成・基本的思想は次のようになっている。 【第1章〜第3章】 △四間飛車3二銀型には山田定跡が有効。 △6四歩なら▲3五歩、△5四歩には▲9七角で仕掛け成立。 →▲四間飛車7八銀型には山田定跡はダメ。▲4六歩▲5六歩を両方指されるため。 →【第4章〜第7章】 歩を両方突かせても仕掛け可能な鷺宮定跡が登場。 ∴先後どちらでも仕掛けられるようになった。 →【第8章〜第10章】 四間側が鷺宮定跡を避けて△4三銀(▲6七銀)と上がれば左4六銀戦法。 「鷺宮定跡」は「さぎのみやじょうせき」と読む。この型の研究を重ねた青野と、タイトル戦で連採した米長が、当時ともに東京・鷺宮に住んでいたことが由来。 【第1図】が鷺宮定跡の基本図。△3二銀型に対して▲6八金直と待機し、△5四歩と△6四歩を両方突かせた上で▲3八飛と寄る。第1図以下、△4三銀は▲3五歩△同歩▲4六銀△4五歩▲3三角成△同桂▲3五銀△2五桂▲3四歩△3二飛▲3三角(【第2図】)で居飛車成功。したがって、その対策として、第1図から△4五歩▲3三角成△同銀▲3一角(【第3図】)が当時の主要テーマ図になった。本書でもこの形の研究にもっとも多くのページが割いてある。 解説は非常に丁寧で、かつ詳しい。図面の配置も適切で、特に変化が戻ったときに必ず再掲図でフォローしてあるので、何度もページを繰る必要が全くない。内容が比較的高度な割には、読み進めていてストレスをほとんど感じなかった。 ところで、【第1図】の形は、現在ではほとんど指されていない。これは、鷺宮定跡が潰されたわけではなく、四間側がこの形を避け、△6四歩と突く代わりに△1二香と待機するようになったからである。特に、この当時は |