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激闘シリーズ第3弾! 力戦!相振飛車の戦い |
[総合評価] A 難易度:★★★★ 図面:見開き3〜5枚 内容:(質)A(量)S レイアウト:B 解説:B 上級〜有段向き |
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【編】 日本将棋連盟書籍編集部 | ||||
【出版社】 日本将棋連盟 | ||||
発行:1983年3月 | ISBN:4-8197-0059-6 2076-11023-5892 |
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定価:1,800円 | 238ページ/23cm/H.C. |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||
・【次の一手】ここでどう指す=30問 |
【レビュー】 |
相振飛車の棋譜解説集。 基礎講座編は相振飛車の定跡の解説。一般の定跡書ならおよそ60ページ分に相当するが、さすがにちょっと古い上に、本書の実戦棋譜でこの定跡どおりに進むものはほとんどないので、使える度は微妙。「このような知識を前提にして戦われていた」ということが分かれば十分だと思う。 あとは実戦棋譜解説100局。1978年〜1982年のプロ実戦からピックアップしている(一部除く)。なぜかB級1組の棋士がやたら多い(笑)。見開きに1局で、棋譜・図面数枚・ショート解説付き。 解説の量は将棋年鑑の倍くらいで、週刊将棋の銀河戦の解説と同程度。数人で分担しているらしく、解説の質にはややバラツキがある。ポイントを的確にまとめたものもあれば、解説になっていないようなものもある。 また、空きスペースには次のようにさまざまなことが書かれている。 ・「次の一手ここでどう指す」…相振飛車での実戦次の一手。だいたい初段レベル。 ・「記録」…相振飛車に関するさまざまな記録。 ・「棋士の横顔」…相振飛車をよく指す棋士の紹介。結構失礼なことが書いてあることも(笑) ・「相振飛車トピックス」「コラム」…相振飛車のエピソード 相振飛車は囲いや飛車の位置などが多彩なので、定跡知識よりも相振り独特の手筋や感覚の方が実戦に役立ちやすい。わたしはもともと相振飛車が苦手で、定跡書を何冊か読んでもなかなか指せるようにならなかったのだが、本書の100局を並べたことで相振飛車の感覚や呼吸が身につき、相振飛車を好んで指せるようになった。他の戦型でもそうだが、たとえ解説がショボくても、100局も並べるといろんなことが分かってくる。 なお、ちょっと前の週刊将棋に「一昔前は相振飛車の囲いといえば金無双ばかりだった」と書いてあったが、このころにはすでに若手棋士を中心にさまざまな囲いの工夫が見られる。現代でもきっと役に立つと思う。(2007Apr30) |