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ヤングガンガンコミックス あかい 紅井さんは今日も詰んでる。 全2巻 |
[総合評価] B+ 絵:A ストーリー:B 構成:A キャラ:A |
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【著 者】 尾高純一/原作 野田大輔/作画 | ||||
【出版社】 スクウェア・エニックス | ||||
発行:2016年9月〜2017年12月 | ISBN: | |||
定価:607円(8%税込) | ページ/18cm |
【本の内容】 |
◆内容紹介 天才美人棋士・紅井小馬(あかいこま)。彼女が将棋部顧問の只野(ただの)にだけ見せるもうひとつの顔は……残念系「詰ンデレ」女子高生だった!? 「将棋以外したら負けだと思ってる(キリッ)」なJK棋士日常4コマ、対局開始ッ! 〔1巻〕 したいことだけ、してあげる。 紅井小馬・高校一年生。世間は彼女を、「天才美人棋士」と呼ぶ。だが本人は言う、「私は奨励会員であって、まだ棋士ではない。」と。現在、奨励会1級。「プロ棋士」を目指し将棋に全てを捧げる彼女は言う。――『将棋以外、したら負けだと思ってる。』!!?? そんな感じ(?)で、学生生活スデに詰み気味☆ 将棋以外ぜーんぶ残念系女子が贈る、駄目カワイイ日常「詰んデレ」4コマ!! 将棋好きでも、そうでなくても、大丈夫ですよ☆☆ 〔2巻〕 紅井小馬、高校一年生。奨励会一級の彼女を、世間は「天才美人棋士」と呼ぶ。 そして黒木成、同じく高校一年生で奨励会一級。二人は女性初のプロ棋士を目指し、日夜切磋琢磨し……って、ちょっとー!コレ国語科準備室で菓子食って引きこもってるコイツらのこと!? そんな駄目カワ(駄目な子ほどカワイイ)日常満載☆ 学生生活スデに詰み気味&将棋以外ぜーんぶ残念な「詰んデレ」JK棋士4コマは、将棋好きもジャナイ人も大歓迎デス!! |
【レビュー】 |
ツンデレ美少女(ダメ人間)が主役の四コマ漫画。 〔あらすじ〕 紅井小馬は将来を有望視されている美少女奨励会員だが、実際は「将棋以外のことをやりたくないので将棋に全力を注ぐ」というダメ人間。国語準備室に居着く紅井と、追い出したい只野の間で繰り広げられるボケとツッコミ! 〔主な登場人物〕 [紅井小馬(あかい・こま)] 「天才美人棋士」と称される美少女JK。実際はまだ棋士ではなく、奨励会1級。ただし、良いのは将棋と容姿だけで、将棋以外のことは何もやりたくないという、ダメ人間。高校の国語準備室に私物を大量に持ち込んで居着いている(帰宅はしているらしい)。ツンデレ気味でめんどくさい性格、かつニート体質。 [只野(ただの)] 新任の国語教師。本作ではツッコミ役。将棋部顧問でもあるが、さほど将棋に興味はない。鈍感力が非常に高い。 [黒木成(くろき・なる)] 紅井と同じ美少女JKで奨励会1級。男に耐性がなく、触れられると狂暴化する。通常時は人並み以上の女子力がある。胸が大きいためによく紅井に逆恨みされる。 [白銀走(しろがね・はしる)] 2巻から登場。紅井とそっくりな容姿でややサイズダウンしたJCで、研修会D2に在籍。思ったことは何でも口に出してしまい、特性「自滅」を持つダダモレ少女。 [居玉くん] 駒形のぬいぐるみ(クッション?)。1巻表紙の右側(見切れ)、2巻表紙の背景に写っているやつ。特に理由もなくちょいちょい登場する、本作のマスコット。 〔寸評〕 ・通常の4コマと違い、1ページに4コマの構成。1コマはかなり横長で、映画のようなワイドスクリーン。 ・舞台は高校の国語準備室(教科ごとの専任教師がいるミニ職員室の別室のようなところ)で、ここからほとんど出ない。(※一部で部屋から出る回もある。将棋部の部室、大判解説会、黒木の家、など) ・1ページ目は、JKと教師の禁断の恋愛話かと思った(笑)。 ・タイトルの「詰んでる」は、「詰み」と「ツンデレ」がかかっている。さらに「将棋以外の取り柄がない」という紅井が「人生ほぼ詰んでいる」のダブルミーニング。 ・背景などに描かれている将棋の小物が案外細かく行き届いているところに感嘆。1巻表紙の紅井さんが持っているのは浅川書房の本で、ガチっぷりがうかがえる。1巻表紙左下の湯呑みとか。 ・各ページごとに付いているタイトルもなかなか細かく、作者のマニアっぷり(?)は尊敬の域。なお、一般語と思われるようなもの(「おかわり」や「事件」など)も基本的にほぼすべて将棋用語or業界用語である。 ・ガチな対局シーンはほぼないが、ほぼ背景のような盤面図でも手を抜いていないのがすごい。たとえば、2巻の「手の広い局面」で紅井と黒木が挟んでいる盤面は藤井システムvs居飛穴ですよね。 ・表紙・扉絵と中身のギャップがハンパない(笑)。ジャケ買いすると愕然としますよ!! ・マジ絵とギャグ絵のギャップもハンパない。 ・最後は特に締めもなかったのはちょっと残念。2巻で完結のはずだが、続きがあるのかと。 〔総評〕 かなり笑わせていただきました。将棋ファンにとっては至る所に「将棋あるある」が出てくるのと、紅井にかなり共感できる(?)のもあって、面白かったと思います。もうちょっと続いてほしかったな。 一方、非・将棋ファンから見ると、少なくとも本作を読んで「将棋始めてみよっかな」とはならなさそう。「これだから将棋好きは…」くらいならまだいい方で、「将棋マニアはダメ人間だらけじゃねーか」とならないかと、無用な心配をしてしまいます(笑)。 (2018Aug26) |