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第十九期竜王決定七番勝負 激闘譜 渡辺明 VS 佐藤康光 |
[総合評価] C 難易度:★★★☆ 図面:見開き1枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級以上向き |
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【編 者】 読売新聞社 | ||||
【出版社】 読売新聞社 | ||||
発行:2007年4月 | ISBN:978-4-643-07003-3 | |||
定価:1,785円(5%税込) | 262ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【竜王】渡辺明 (防衛) 【挑戦者】佐藤康光棋聖
・「最高の対局者との戦い」(竜王・渡辺明)=3p |
【レビュー】 |
竜王戦の観戦記。読売新聞に掲載された観戦記から主要なものをピックアップ。 今期挑戦者は、最終的に「タイトル戦6連続登場(挑戦5回)」という、驚異的な勝ちっぷりで登場した佐藤康光。あまりの絶好調ぶりに、「佐藤乗り」の声が多い中、渡辺は「私は下馬評を裏切るだろう」と自信ありだった。 今期のキーワードは「読みが合わない」だ。特に第1局と第5局では顕著。普通、トップ棋士同士なら第一感はほとんど同じとされているが、この二人は大局観もそうとうズレている。だからこそ、今期の七番勝負はとても面白かった。 もう一つ感じたのは、「人間同士の戦いである」ということ。ピーク時の羽生vs谷川などを見ていると、「トップ棋士の戦いはもはや神の領域か?」と思うことがある。しかし今回の七番勝負では、終盤で難度も逆転していたり(第2局・第3局)、もがく相手を正確な読みで押さえ込んだり(第4局・第6局・第7局)と、非常に「人間らしさ」を感じる。これも大局観の合わなさが原因なのだろうか? 個人的には、第7局(柳瀬尚紀氏)の観戦記はかなり不満だった。今期2度目の「2手目△3二金」や中盤の千日手含みの微妙な手順はさらっと流し、「七」の読み方がどうだとか…。言葉の達人なのは分かるが、言葉遊びに興じすぎて、肝心の勝負の凄みが全然伝わってこない。また、なにか不自然な単語が出てくるなと思っていたら、「文頭を1文字ずつ拾ってゆくと最終センテンスのむすびと同じになる」(p189)…すごいけど、どうでもいい!(2007Aug28) |