zoom |
米長の将棋 1 居飛車対振飛車(上) |
[総合評価] A 難易度:★★★★ 図面:見開き3〜4枚 内容:(質)A(量)A レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 有段者向き |
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【著 者】 米長邦雄 | ||||
【出版社】 平凡社 | ||||
発行:1980年6月 | ISBN:4-582-61401-9 | |||
定価:1,300円 | 294ページ/19cm ハードカバー |
(文庫版) zoom |
MYCOM将棋文庫DX 米長の将棋 1 居飛車対振飛車(上) |
[総合評価] A 難易度:★★★★ 図面:見開き3〜4枚 内容:(質)A(量)A レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 有段者向き |
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【著 者】 米長邦雄 | ||||
【出版社】 毎日コミュニケーションズ | ||||
発行:2004年1月 | ISBN:4-8399-1288-2 | |||
定価:800円 | 304ページ/16cm |
【本の内容】 | ||||||||||||
付・引用局全譜(30局)=16p |
【レビュー】 |
米長全盛期の自戦記集。主な掲載局は1977年〜78年で、ちょうど米長がタイトル戦で活躍し始めたころである。 本書では、まず序中盤のキーとなる局面をテーマ図として提示し、次に終盤までの流れを解説している。総譜は巻末にまとめて置いてある。ちょうど、『○○の戦いの絶対感覚』シリーズと似たような構成だ。絶対感覚シリーズと同様、戦いのツボがうまく押さえられていて、非常に参考になる。時間がない方は、テーマ図とその次の1ページを読むだけでも十分勉強になるはずだ。 各巻ごとに戦型別に分類されており、第1巻では、居飛車vs振飛車の対抗型を扱っている。主な戦型は、対中飛車・玉頭位取り・8八玉型左美濃など。これらの戦法は有力なのだが、現在ではやや流行から外れているので、最新の動向に敏感な人には不向きかも?「古い将棋はちょっと…」という方は、やめておいたほうがいい。ただし、解説自体は中終盤メインなので、序盤はさらっと流していけばさほど気にはならない。 特に注目したいのは終盤。ねじり合いの腕力、切れ味は絶品。わたしが気に入っているのは、棋譜のいくつかで見られる、得意の“米長玉”。最初から9八玉型銀冠にするのは近年でもよく見られるが、本書でよく見られる米長玉は「中盤の攻防の中でスッと9八玉と寄る」もの。これは米長独特の妙技と言ってもよいと思う。最善かどうかはともかく、相手の読みを空白にしてしまうという実戦的効果は高い。ぜひ本書でコツをつかみ、会得されたし。(2004Feb08) |