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実戦型詰め将棋
三手・五手・七手詰め 知らず知らずのうちに、詰めの実力がつく! 実戦での段級位も目に見えて上がる! |
[総合評価] C 難易度:★★ 〜★★★☆ 見開き1問 内容:(質)A(量)B レイアウト:B(2色刷) 解答の裏透け:A 解説:C 初級〜上級向き |
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【著 者】 中原誠 | ||||
【出版社】 日東書院本社 | ||||
発行:2006年9月 | ISBN:4-528-01512-9 | |||
定価:998円(5%税込) | 224ページ/cm |
【本の内容】 |
詰将棋=計103問 ・三手詰=25問 ・五手詰=40問 ・七手詰=38問 ◆内容紹介 実戦型の詰将棋を数多く解けば解くほど段級位がアップ!十六世名人であり、また幾多のタイトルを獲得した中原誠永世十段が厳選した「三手・五手・七手詰」の短手数の問題103問。七級から三段までの幅広い読者層を対象に、手にとるようにわかりやすい解説で、思わず棋力がアップします。 |
【レビュー】 |
詰将棋問題集。 載っているのは3手〜7手の超短手数。3手・5手は標準的な難易度だと思ったが、7手は急に難しくなった感じがした。難解というほどではないが、1手目・3手目・5手目とも選択肢がいくつかあって、手なりで詰むものは少ない。また、決め手の前の事前工作をしっかりやっておかなければ解けない問題も多かった。そのせいか、ひと目で解けた問題はほとんどなかった。この辺は、同時期に発売された『3・5・7手実戦型詰将棋』(飯野健二,池田書店,2006.03)とは好対照である。 内容紹介はやや誇大広告気味な部分あり。 (1)「実戦型の詰将棋」 →あまりない。趣向作や曲詰ではない、というレベル。 (2)「手にとるようにわかりやすい解説」 →これは違っていた。コンパクトにまとめている分、変化や考え方の解説は非常に少ない。特に7手詰では「○○が好手。△△に□□として解決です。」という感じの淡白な解説が多く、変化手順の詰ませ方や、事前工作の意味がほとんど書かれていない。よって、解けなかった人は解答を見て自力でその意味を探る必要がある。 (3)「七級から三段まで幅広い読者層を対象に」 確かに3手詰は級レベル、7手詰は有段者レベルで、これは正しいと思う。ただし、本全体が幅広い棋力に対応しているわけではなく、たとえば7手詰は有段者専用だろう。解説を詳しくし、読めば分かるようにしていれば、問題自体が難しくても「幅広い棋力に対応」と言えたはず。 ヒントは問題図の上側に一行ヒント(タイトル)、下側に数行のヒント。「初手は▲2三銀です」のように、具体的な指し手まで書いてある場合もあるので、大幅に難易度が下がる一方、醍醐味が失われることも。見なければいいのだが、上段と下段を同時に隠すor視野に入れないのは至難のワザ。 また、紙質があまりよくない。白色度が低く、ややくすんだ色合いで、厚さの割には腰がない紙。ただし、不透明度は高めで、特にレイアウトの工夫がなくてもほとんど裏透けしてないのは○。紙質に関しては好みの問題ではある。最近の日東書院の棋書はだいたいこの紙質のようだ。 100問強でほぼ1000円というのは、詰将棋本としては標準的。少し歯ごたえのある3〜7手の詰将棋をとにかく数多く解いていきたい人、解説は特に要らないという人は選択肢の一つとしてどうぞ。 なお、中原は2008年8月に脳出血で倒れ、回復後も「詰将棋が(解こうとしても)詰まなくなった」と語っているので、おそらく本書が中原名義の最後の詰将棋本になると思われる。(2009Jun09) ※誤植(初版第1刷):p197「飛者の守りを…」→「飛車」 |
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