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一手決断☆将棋戦法(1) 米長流 四間飛車撃破 |
[総合評価] C 難易度:★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
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【著 者】 米長邦雄 | ||||
【出版社】 筑摩書房 | ||||
発行:1985年11月 | ISBN:4-480-67001-7 0376-67001-4604 |
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定価:780円 | 206ページ/18cm |
【本の内容】 | ||||||||||||
◆内容紹介(「はじめに」より抜粋) |
【レビュー】 |
△四間飛車vs▲3八飛戦法(鷺宮定跡)・玉頭位取りの解説書。 米長は本書の中で、「わたしは相手によって戦法を変える」と明言。具体的には、対森安流には鷺宮定跡、対大山流(△3二金の余地を残すタイプ)には玉頭位取りで対抗する、とのこと。本書ではその2つの戦法を解説している。 左図が鷺宮定跡の基本図。「△6四歩・△5四歩と2つ突いた形には山田定跡が使えない」ところから工夫されたもの。本書では左図から右図までは一直線に当然の展開として飛ばされているので、定跡書としての価値はあまりない。 第1章・第2章とも、まず序盤の考え方を詳しく解説。細かい変化ではなく考え方重視なので、級位者から有段者まで幅広い層に分かりやすい。各章の後半は、実戦例の解説。要所ごとに“トレーニング”として「ここで○○だったら?」と変化を考えさせるのが面白い。ただ、変化があちこちに飛んでいき、本線が見えにくくなっている。このあたりは構成を工夫すれば改善できたと思うので、惜しい。 なお、第3章の実戦譜は、1局目はなぜか▲4五歩早仕掛けの米長新手▲4六銀(右図)。鷺宮と玉頭位取りの本なのになぜ…という感じだが、「米長流四間飛車撃破」ということで目を瞑ろう。2局目は第2章の実戦譜の続きなので、本書は合計3局の解説ということになる。 全体的に分かりやすかったが、分量の少なさと構成のまずさに不満があるので、評価は控えめに設定した。(2005Mar18) |