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将讃ブックス スーパー矢倉戦略 なぜ、あなたは矢倉を指さないのか!? |
[総合評価] B 難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜4枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:B 解説:A 読みやすさ:B 上級〜有段向き |
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【著】 田中寅彦 | ||||
【出版社】 竅iえい)出版社 | ||||
発行:1983年12月 | 1076-1121-0651 | |||
定価:750円 | 209ページ/18cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
・【コラム等】田中寅彦・全調査/対局の前日/感想戦/対局の夜/初めての体験─立会人/未来の飛先不突き矢倉/田中寅彦全成績/研修会規定 |
【レビュー】 |
飛先不突き矢倉の解説書。 「なぜ、あなたは矢倉を指さないのか!?」 「うーん、表紙がビミョだからかな…」 冗談はさておき。飛先不突き矢倉がプロの公式戦で指されたのが1981年。本書の出版が1983年。現代ではアタリマエになった飛先不突き矢倉だが、当時としては非常に画期的だった。飛先の歩を一つ突くのは矢倉では常識だったのが、突かないことで他所の駒組みが早くできたり、2七に隙がなかったり、2六に銀や角を配置できたりと、戦略の幅が大幅に広がったといえる。 本書では、飛先不突き矢倉を「A1タイプ」と「A2タイプ」の2種類に分類。 ・A1タイプ(左図) 飛角、さらに銀桂香を1筋に集中させて、端攻めに重点を置く指し方。 ・A2タイプ(右図) 序盤戦の早いうちに▲3五歩△同歩▲同角と3筋の歩を切っておき、▲3六銀〜▲3七桂の理想形を目指して、作戦勝ちを狙う指し方。 どちらも飛先不突き矢倉の理想形であり、この形が作れたらまず作戦勝ち。よって、実戦ではこの形を「作ろうとする・作らせない」の戦いが繰り広げられる。 第1章・第2章では飛先不突き矢倉の基本思想を解説し、第3章以降で田中自身の実戦譜を用いて解説していく。細かい定跡よりも、「理想形を頭に描くことと、感覚重視」で話が進むので、20年以上経ってもさほど古さは感じない。 現代の矢倉がよく分からない人は、一度このあたりまで立ち返ってみてはいかがだろうか?(2005Mar20) |