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塚田泰明の速攻将棋 中飛車破り 【5七銀左戦法】 |
[総合評価] A 難易度:★★★☆ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
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【著 者】 塚田泰明 | ||||
【出版社】 高橋書店 | ||||
発行:1990年12月 | ISBN:4-471-13291-1 | |||
定価:971円 | 207ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||
◆内容紹介(まえがきより抜粋) |
【レビュー】 |
△中飛車vs▲5七銀左戦法の定跡書。スタンスは「中飛車破り」。 基本図は右図。居飛車は対四間急戦と同様に5七銀左型を構築する。そこから中飛車の動きに合わせて、仕掛け方を決定する感じだ。 第1章では、△5四歩に対し▲3五歩と速攻する。細かい違いは多いが、山田定跡と似た仕掛けだ。 第2章は△3二金▲6八金上の交換を入れ、△5四歩▲4六歩△6四歩▲3七銀△7四歩▲3八飛△6三銀(袖飛車狙い)▲3五歩△同歩▲2六銀となる進行がメイン。袖飛車への対応さえ理解すれば、居飛車にとってかなり面白い戦い方だ。実戦編ではこの仕掛けが一番多く出てくる。 実戦編は約半分のページを占めている。「ハハァ、定跡でページが埋まらなかったから実戦でお茶を濁すつもりだな」と普通なら思うところだが、本書では実戦編も重要なコンテンツとなっている。類似局面からの仕掛けが多く、中飛車側がいかに対応するかが読み取れて面白い。また、実戦編では各局タイトル上部に講座編の対応ページが書かれている。ほんのわずかな工夫だが、実戦と講座の関連が分かりやすくて非常に良い(ひどい本だと講座と実戦が全然違うときがある)。実戦編を並べた後or並べながら講座編を読み返せば、かなり早くマスターできる。 なお、講座編では原則として▲5七銀左vs△中飛車であるが、実戦編では居飛車後手番で2局採用しており、後手番でも少しの工夫で立派に通用することを示している。 ツノ銀中飛車に対する急戦策としては、3八飛戦法・4六金戦法・4五歩早仕掛けなどがメジャー。わたしも3八飛や4六金を相当数試してきたが、どうも勝率は芳しくなかった。感覚が合わないためか、なにか指しにくさを感じていた。 |