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■もっと羽生流!初段+プラスの詰将棋150題

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もっと羽生流!初段+プラスの詰将棋150題
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もっと羽生流!
初段+プラスの詰将棋150題
5手詰から実戦「次の一手」まで羽生流を楽しむ!
[総合評価] C

難易度:★★
   〜★★★★

見開き1問
内容:(質)B(量)B
レイアウト:A
解答の裏透け:C
解説:B
初級〜有段向き

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【著 者】 羽生善治
【出版社】 成美堂出版
発行:2014年1月 ISBN:978-4-415-31767-0
定価:777円(5%税込) 319ページ/15cm


【本の内容】
【問題制作】関口勝男 【解説執筆】甲斐栄次 【企画編集】成美堂出版編集部

・詰将棋=110問
・実戦次の一手=40問

第1章 読みを強化する!5手詰問題
第2章 実戦力を磨く!7手詰問題
第3章 詰み形がわかる!9手詰問題
第4章 局面を見る力がつく!11手詰問題
第5章 ワンランクアップ問題で鍛えよう!
第6章 実戦棋譜で楽しむ 羽生流次の一手40題

・【コラム】詰め手筋の基本 (その1)玉を下段に落とす (その2)両王手の筋に追い込む (その3)玉を角筋に誘う (その4)玉の脱出口をふさぐ

◆内容紹介
5手詰から実戦「次の一手」まで羽生流を楽しむ!


【レビュー】
初段前後向けの詰将棋問題集。

本書は、5手詰〜17手詰の詰将棋110問と、羽生の実戦から取材した次の一手問題40問の、計150問で構成されている。



本書のレイアウトは〔右図〕のようになっており、問題ページに表示されている内容は以下の通り。

 (A) ○手詰 (手数表示)
 (B) ○分で○段 (棋力の目安)
 (C) タイトル (10字程度)
 (D) 問題図 (図面は駒形使用)
 (E) ヒント (10字程度)


問題図を除くと、ヒントが4つある様な感じになっている。タイトルなどで「はは〜ん、この筋か」と思う時もあるが、逆にそれが先入観となって解きにくくなることもあったので、本書の場合は、まずは問題図をクリーンな目で眺めることを推奨したい。

解説は150字程度。図面は2つor3つで、失敗例が書かれたものもある。


本書の詰将棋問題の手数、目安時間、棋力の目安を一覧にすると、以下のようになる。


また、111問目〜150問目は、羽生の実戦を題材とした次の一手問題。厳密な最善手が正解というわけではなく、「羽生が指した手」が正解となる。なので、局面の状況を説明した[局面]と、どういった狙いの手を指すかのヒントとなる[羽生のポイント]は、ちゃんと目を通してから問題に取り組もう。

題材となった将棋は15局あり、最大で6問一組(最小は1問一組)。中盤から終盤、詰みを含んだ最終盤が次の一手問題になっている。ちなみに第6章のタイトルは「実戦棋譜で楽しむ〜」となっているが、棋譜は付いていない。



さて、総括を。本書の詰将棋の難易度は、かなり振れ幅が大きい。最も易しい問題は「5手詰、3分で2級」だが、ただ自然に追うだけの手順であり、「これは“詰将棋”というより“詰め手筋”だし、10級くらいでも解けるのでは」と思った。一方、難しい方の問題は「20分で初段」や「15分で二段」などだが、問題によっては「三段〜四段レベルでは?」と思うものもあった。

また、問題の質もかなり振れ幅が大きい。特に、短手数でも駒取り問題は多く、「詰将棋は駒を捨てるもの」と思い込んでいると結構深みにはまることもある。いかにも詰将棋という、華麗な手順のものもあれば、手数が長くても「最初の6手はブチ込んで清算するだけ」のようなものもある。

これらを好意的に見れば、「詰将棋的な捨て駒だけにとらわれず、実戦的な手段もすべて考慮に入れる」ということで「羽生的である」と思うこともできるが、懐疑的に見れば「バラツキが大きく、ある棋力の人が楽しめるのは50〜60問くらい」となる。さらに、タイトルで「〜詰将棋150題」と書いてありながら、実際には110題しかない、というのは大変不満な点である。

そして、次の一手問題は、残念ながら詰将棋編とのカラミはほとんどない。詰将棋編で培った詰め力を使うとか、詰将棋編での詰み形に誘導する詰めろをかけるとか、そういったものはなく、9割近くが中盤〜寄せの問題になっている。正直、こういったものなら『羽生善治の終盤術』シリーズの方が断然役に立つだろう。



幅広い層に対応しようとして、結果的に中途半端になってしまっている一冊だった。(>_<。) (2016Dec30)



【関連書籍】

[ジャンル] 
詰将棋
[シリーズ] 
[著者] 
羽生善治
[発行年] 
2014年

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