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棋力がグングン上がる! 初段をめざす詰め将棋 |
[総合評価] C 難易度:★☆ 〜★★★★ 見開き1〜2問 内容:(質)A〜B(量)C レイアウト:A 解答の裏透け:B 解説:S (練習問題はC) 初級〜有段者向き? |
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【監 修】 羽生善治 | ||||
【出版社】 成美堂出版 | ||||
発行:2004年2月 | ISBN:4-415-02548-X | |||
定価:924円(5%税込) | 175ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||||||
【詰将棋制作】 関口勝男 【本文解説執筆】 甲斐栄次 【イラスト】 国本雅之・小山規
詰将棋=計76問
◆内容紹介(成美堂出版HPより) |
【レビュー】 |
こども向けの詰将棋入門書。『羽生流で強くなる
はじめての将棋』(2005)の姉妹本。(本書の方が“姉”) 全編フルカラー。ややパステル調の配色にしてあるので、見やすくて眼も疲れない。また、ほぼ全ての漢字にはルビが振ってあるので、小学1〜2年くらいから読める。 序章や第1章では、初心者が勘違いしやすい詰将棋のルールや詰め方の感覚がとても丁寧に解説されている。また、第2章〜第6章の解説も非常に詳しい。2手ごと(詰め方の手番)に図があるので、手を楽に追っていくことができる。各問の最後には「羽生のひとくちアドバイス」があり、問題のポイントや類似の手筋を解説。総合的な解説の質はトップクラスだ。 ただ、本書には致命的な欠陥が。どうみても初級者向きに作られたはずの本なのに、難度がどんどん上がっていく。3手詰は易しいが、11手や13手となると有段者でも相当てこずる。単なる並べ詰めで長いわけではなく、問題そのものの難度が高い。最後の方はマギレもかなり多く、見ただけで投げ出してしまいそう。表紙に「棋力がグングン上がる!」と書いてあるが、グングン上がっているのは難度の方。ほとんどの人はついていけないと思う。 また、練習問題の解説は2〜3行程度であまりにも貧弱。本編とのギャップが大きすぎて戸惑った。 本書の構成を使って、3〜7手くらいのやさしい詰将棋を扱ってくれれば、詰将棋入門書として最高クラスのものになっただろう。残念すぎる。(2005Aug04) |