三一将棋シリーズ 天才たちの名手 将棋史を変えた次の一手 |
[総合評価] C 難易度:★★★★ 見開き1問 内容:(質)B(量)A レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 上級〜有段向き |
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【著 者】 大内延介 | ||||
【出版社】 三一書房 | ||||
発行:1995年11月 | ISBN:4-380-95288-6 | |||
定価:1,747円 | 240ページ/19cm |
【本の内容】 |
・次の一手=計106問 第1章 家元制から実力制へ移行し、その力量を競い合った木村・塚田の時代=9問 第2章 棋史に残る数多くの名勝負を輩出した升田・大山の時代=30問 第3章 自然流・中原を軸に盤上真理を追求した時代=24問 第4章 谷川、高橋らに触発され近代将棋への脱皮の時代=23問 第5章 過去の定説に捉われない新感覚派の台頭と現在=20問 ◆内容紹介 木村、塚田、升田、大山、中原、谷川、羽生…。昭和・平成期を彩る天才棋士の名手・妙手を100余りの名場面から拾い出し、「次の一手」形式で構成した名勝負アンソロジー。知恵の限りを尽くして天才の読み手を探るうちに、自然に将棋史や勝負の綾を知ることのできる画期的な一冊。 |
【レビュー】 |
歴史的名手の好プレー集。まれに珍プレー・悪手の紹介もあり。 南禅寺の決戦(木村義雄vs阪田三吉,昭和12年)から羽生七冠阻止(谷川浩司vs羽生善治,平成6年)まで、昭和のタイトル戦を中心にさまざまな“名手”を次の一手問題形式で紹介。問題図の解説(ヒント)には、その勝負の背景や流れがたくさん書いてあるのが嬉しい。 一方で、解答図の解説は不足気味。指し手も含め、100字〜150字程度しかない。本書の名手の中には、“指されてみればすぐに好手と分かるもの”もあれば、“ボンヤリしていて狙いが一瞬では分からないもの”までさまざま。「羽生の▲5二銀」などは本書の解説でも十分であるが、「大山の△8一玉」「中原の▲5七銀」レベルにはもっと解説がないと“名手の名手たる所以”が伝わらないと思う(※1)。 本書は「次の一手問題集」としての意味合いは少ない。「読み物」としてなら、まずまず楽しめると思う。(2006May30) ※1 わたしはこれらの手を他書で何度も見たので分かりましたが…。 ※2 ちなみに大内自身の問題も7問あります(笑)。 |