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内藤国雄の次の一手シリーズ 振り飛車の攻防 |
[総合評価] B 難易度:★★★☆ 見開き1問 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解答の裏透け:B 解説:A 中級〜上級向き |
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【著 者】 内藤国雄 | ||||
【出版社】 金園社 | ||||
発行:1980年9月 | ISBN:4-321-55213-3 | |||
定価:680円 | 230ページ/18cm |
【本の内容】 |
・振り飛車戦法=24問 ・【講座】必勝!向飛車戦法=4p ・振り飛車破り=30問 ◆内容紹介(はしがきより抜粋) 将棋感覚は大別して居飛車の感覚と振り飛車の感覚にわけることができます。飛車を振らなきゃ将棋を指した気がしないという振り飛車党の方のために、第1章では振り飛車側から。第2章は逆に居飛車側からの問題集一本にしぼってみました。(中略)居飛車、振り飛車どちらを好まれるにしても両方の感覚をマスターするにこしたことはありません。 |
【レビュー】 |
振り飛車vs居飛車の対抗形の次の一手問題集。相振り飛車は載っていないので注意。 本書では、前半は振り飛車視点の問題、後半は居飛車視点の問題を扱っているが、対抗形であるという点では同じ。問題の構成は同シリーズの『石田流・穴熊破り』(内藤国雄,金園社,1980)とほぼ同じで、テーマ局面についてまず背景の解説が入り、次の一手を問う。候補手は三択で、それぞれに「狙いは?」「次に○○」などのショートコメント付き。 解説は非常に丁寧で、正解手と失敗手であわせて3p。変化・考え方ともに充実している。それぞれの手には「100点」「80点」「50点」と点数がつけられており、手の感触によっては「95点」「90点」「70点」「60点」になることもある。 前半の「振り飛車戦法」に載っているのは、急戦向飛車、中盤・終盤の次の一手(比較的多い)、▲中飛車vs△6四金戦法、▲四間vs△二枚銀、▲四間vs△ナナメ棒銀、▲四間vs△棒銀、▲四間vs△左美濃持久戦、▲三間vs△玉頭位取り、▲三間vs△腰掛銀+浮き飛車、▲三間vs△三歩突き捨て、など。かなりランダムな並びになっている。たまにかなり難度の高い問題もあり、第6問などは読み切って正解したらプロ級。 後半の「振り飛車破り」に載っているのは、△四間vs▲右四間+舟囲い、△四間vs▲3五歩山田流、△四間vs▲棒銀、△四間vs▲山田定跡9七角、△四間玉頭銀、△三間vs▲3七桂急戦(or▲4五歩早仕掛け)、△ツノ銀中飛車vs▲3八飛戦法、など。前半に比べて定跡問題がほとんどであり、また前後の問題の関連性が高い。 なお、真ん中にある向飛車の講座はホントにおまけ。急戦向飛車の破壊力を紹介する程度。 解説が非常に詳しくて明快なので、次の一手問題集としては秀逸。Aをあげてもいいくらいだが、定跡手については現在では結論が変わっているもの(対策ができたもの、もっと良い仕掛けがあるもの、この当時の次善手が研究が進んで現在では本筋になっているもの、etc.)もある点と、2版でも誤植が多い点を考慮するとBが妥当かなぁ、と。(2009Dec18) ※誤植(2版で確認) p58 参考A図 ▲4七歩が不要 p94 参考A図 8五歩の向きが逆 p113 参考C図 ▲5九金寄が入っていない p130 ×「▲5九金寄に△1九竜なら、▲7四桂」 1行丸ごと誤植。上段と間違えている。 ○(おそらく)「次に▲4四桂のねらいですが、△4七歩」 p178下段 ×「また▲2二歩で」が二重に書かれている。 |
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【関連書籍】 |
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