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羽生善治のみるみる強くなる 将棋 序盤の指し方 入門 |
[総合評価] S 難易度:★☆ 〜★★ 図面:見開き1〜6枚 内容:(質)A(量)A レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 初心〜初級向き |
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【監 修】 羽生善治 | ||||
【出版社】 池田書店 | ||||
発行:2009年12月 | ISBN:978-4-262-10145-3 | |||
定価:998円(5%税込) | 208ページ/21cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||||||||||
【構成・文】 上地隆蔵 【イラスト】 角愼作
・【コラム】(1)ネット将棋にチャレンジ
(2)将棋界の七大タイトル (3)対局時のアイテムにも注目
(4)手つきも本格派になろう (5)駒落ちで上達しよう
(6)棋士のキャッチフレーズ |
【レビュー】 |
序盤について、初心者向けに解説した本。『羽生善治のみるみる強くなる将棋入門
5ヵ条で勝ち方がわかる』(羽生善治監修,上地隆蔵構成・文,池田書店,2009)の続編。 「将棋のルールは覚えた。1手詰や3手詰をやって、将棋の最終目標である「詰み」も理解した。さぁ指すぞ……で、どの駒を動かせばいいの?」初心者でこういう人は案外多い。うちの妻もこれである。 通常の入門書では、「まず角道を開け、飛の位置を決め、玉を囲いましょう」という旨が書かれていることが多い。確かに将棋のセオリーとしてはその通りなのだが、「なぜそう指すの?」という問いに対して明確に答えている本は少ない。 本書は、初心者が手の意味・目的を考えながら序盤を指せるように解説した本である。 レイアウトなどについては以下の通り。 ・文章はすべてゴシック体。大事なところは丸ゴシック+太字で強調。 ・ルビは基本的になし。(初出の将棋用語で読みづらいものはルビあり) ・字は割と細かい。 ・図面は2色刷りで見やすい。 ・円・矢印・網掛けなどを駆使して、図面や棋譜の読み方がまだあやふやな初心者でも分かりやすいように工夫されている。 多くの序盤本でいきなり解説される「定跡」は、後回しで第5章から。第1章〜第4章で、先に基礎的な考え方(「将棋力」)を身につけていく。 特に第1章の「初形からの「初手」の評価と解説」(p54〜p69)はVery Good!初手で考えられる30通りをすべて網羅し、「好手/覚えて損ナシ/イマイチ/疑問/悪手」などに分類。入門者のころ、「最初に何を指せばいいか分からない」という人はとても多く、いきなり▲5八金左とか▲1八香とやってしまう人も見かける。この項を読めば初手の善悪が分かるし、「指し手の持つ意味」という概念も自然に頭に入っていく。 第2章の「大駒はにらみで勝負する」(p74〜p83)もVery Good。初心者は序盤に飛角(+桂)だけを動かすことが圧倒的に多いが、その悪癖を自然に修正できる。 5章・6章は戦法紹介。4章までで学んだ「将棋力」に触れながら、1手ずつ丁寧に解説していく。この5章・6章はある意味オマケのようなもので、ここまで来れば初心者向けの定跡書に移行していけばよいだろう。 全体的に、初心者が本当に指しそうな手をたくさん挙げており、著者はたくさんの初心者を見てきたんだな、と思う。 ルールは覚えたが、目に付いた手を指している状態の人にはぜひ読んでほしい本。超オススメ。(2010Apr23) ※誤字・誤植(初版で確認) p168最下段 ×「駒の活用がしやくなるなど」 ○「駒の活用がしやすくなるなど」 |
【他の方のレビュー】(外部リンク) ・Amazon.co.jp: カスタマーレビュー |