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MAN TO MAN BOOKS スラスラ決める 将棋奇襲集 必殺の決め業を放つ─その手筋をあなたにソッと教えます! |
[総合評価] C 難易度:★★☆ 〜★★★ 見開き2問(天地逆) 内容:(質)B(量)A レイアウト:A 解答の裏透け:C 解説:C 中級〜上級向き |
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【著 者】 滝誠一郎 | ||||
【出版社】 山海堂 | ||||
発行:1979年11月 | 2377-906046-2732 | |||
定価:650円 | 200ページ/18cm |
【本の内容】 |
次の一手問題=計200問 ・トレーニング編=30問(部分図) ・アタック編=170問(全体図) ◆内容紹介(はしがきより抜粋) 本書でテスト形式に取りまとめた問題は従来からよく指されている奇襲の他にアマの方が見落としがちな捌きの要点を取り上げたものです。(中略)相手が知らない“手筋”を自分が熟知していて、その手で相手を負かすのはうれしいものですね。それを本書で勉強してもらおうと思うわけです。 |
【レビュー】 |
実戦図の次の一手問題集。 序盤から中盤で、手筋を使って局面をハッキリ有利に導くような問題がメイン。タイトルには「奇襲」とあるが、実際には奇襲やハメ手の類のものはほとんどなく、「決め手」を探せばよい。 問題は単発のものもあれば、数問がセットになっているものもある。基本的には、長くても5手先くらいまで読めればOK。 個人的に目を引いたのは、第125問〜第127問(セット)。〔右上図〕は後手(実際は先手)が横歩を欲張った局面で、これを先手(実際は後手)が咎めるのがテーマ。 本書では、〔右上図〕から▲8二歩△8六飛▲8一歩成△同飛▲9八香!△8六歩▲9九桂!で〔右下図〕。これが驚いた筋だった。 ▲8二歩は横歩取り△3八歩戦法でもおなじみの筋だが、▲9八香〜▲9九桂はこれまで1000冊近い棋書を読んできても、見たことがなかった。 古い定跡の知識が足りないのかもしれないが、ホントにこれで先手良し?桂得とはいえ、二歩損で歩切れ。おまけに、こんな桂を打って幸せになれるのだろうか…? この変化を選ばず、〔右上図〕から▲8二歩△8六飛▲8一歩成△同飛▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2五飛(1歩入手して△8六歩に▲8五歩を用意)の方が明快だと思う。 ちなみに激指8に検討させたら、本書の変化の方はまったくの互角、上記変化の方は角落ち初形図くらいの差で先手良しという評価だった。 上の例はやや特異だが、全体的には中級者くらいには役に立ちそうな問題が多く、問題数も200問と多めなのは魅力。ただ、解説量が少なく、非常に淡白。むしろ、上級者以上が局面の急所を一瞬で見抜くトレーニングに使うべきなのかもしれない。(2012Jul26) |