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第一回 朝日アマ・プロ角落戦 | [総合評価] B 難易度:★★★★ 図面:見開き2枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 上級〜有段向き |
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【著 者】 東公平(紅)、関則可(酔象)、柿沼昭治(玉虫)、若島正(若島) | ||||
【出版社】 木本書店 | ||||
発行:1980年6月 | 2076-0004-1535 | |||
定価:864円 | 251ページ/19cm |
【本の内容】 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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【レビュー】 |
角落の実戦集。 本書の「第1回アマプロ角落戦」は、1979/4/15に東京・渋谷の東急百貨店屋上で行われた企画物である。朝日アマ名人戦で上位に入ったアマ強豪と、プロA級棋士(+名人)が角落で対戦。しかも9局同時の公開対局だった。 全局同時進行のため、「前局の展開を踏まえた改良案」というのはない。それぞれ個別の戦いであり、研究披露よりも実戦的な意味合いが強く、ややプロに有利だったと思う。 当時のアマ側は、「本気で、慎重にさえ指せば負けないだろう」(72p)という見解が大勢を占めていた。しかしさにあらず。角落というのは不思議な、難しい手合いで、互角の棋力でも容易ではない。このアマ側の油断に加え、公開対局という不慣れなアマに不利な条件も加わり、「七対二。今回の催しは、一流棋士が鍛え上げた技術を遺憾なく発揮し、『角落容易ならず』をアマ強豪に認識させた。これで良かった、と思う。」(187p、紅)そしてアマ側は認識を改め、角落対策に本気で取り組むようになり、次回以降はほぼ互角の戦いが繰り広げられていく。 なお、本企画では以下のような特別ルールが設定されていた。 ・「千日手はアマ側が責任を持って打開する」(上手に有利なルール) ・「双方入玉の場合は、1点でも多い方の勝ちとする」(下手に有利なルール) 本書では、9局の観戦記を4人の強豪アマで分担して担当している。出場アマとライバル関係にある4人の書く観戦記は、非常にリアルな描写で面白い。ただ、9局は同時進行で、しかも公開対局で観戦者が群がっていたため、どうしても見逃してしまった部分もある。 さらに本書ではボーナストラック(?)として、「アマプロ角落戦」に先だって行われた「加藤vsアマ四強戦」も収録。第2回や第3回に比べて、少しだけボリュームが大きい。 プロと角落の手合いの方は、他の角落実戦集と併せて一度は並べておきたい。(2004Sep23) |