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MFコミックス
フラッパーシリーズ 将棋めし 全6巻 |
[総合評価] B 絵:A ストーリー:B 構成:B キャラ:A |
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【著 者】 松本渚 広瀬章人/将棋監修 | ||||
【出版社】 KADOKAWA | ||||
発行:2017年1月〜 | ISBN:978-4-04-068823-7 | |||
定価:648円 | 180ページ/18cm |
【本の内容】 |
◆内容紹介 〔1巻〕 ノーカロリー、ノー将棋! 勝負にかけるプロ棋士が選ぶ食事とは!? 前代未聞、将棋×めしの異色マンガ!プロ棋士・峠なゆたが対局の休憩中に食べるメニューとは!? そして、それが将棋にどう影響するのか!? めしで勝敗が決まると言っても過言ではない! 〔2巻〕 棋士の対局で繰り広げられる、めし戦略。 今人気の将棋×めしの異色漫画! プロ棋士・峠なゆたは食に並々ならぬこだわりを持つ。対局休憩中の食事では対局相手と被らない&負けないセレクトを意識。脳が求めるガッツリめしで真剣勝負に挑む!めしで勝敗が決まると言っても過言ではない! 〔3巻〕 負けたら結婚!? なゆた人生を懸けた戦い!! 西の電波王子・逢初。なゆたは彼から結婚を懸けた勝負を申し込まれる!! 成り行きで受けることになったなゆた。人生でも対局でもピンチに。気分転換の将棋めしで活路を見出すことはできるか!? 〔4巻〕 峠なゆた玉座、初防衛戦! その相手は彼女がもっとも尊敬する兄弟子の杜谷憲司龍王であった。彼を相手に将棋、そしてめし戦略をどうするか!? 今注目の将棋めしマンガ、第4巻! 〔5巻〕 三羽烏それぞれの戦い! 峠なゆた玉座、対杜谷龍王の防衛戦! 宝山、なゆたを懸けた対逢初戦! 黒瀬、自分が注目されないなかでの天才中学生棋士との戦い!そしてそれぞれのめし戦略は!? 今注目の将棋めしマンガ、第5巻! 〔6巻〕 玉座の行方は!? なゆたVS杜谷、ついに決着! 峠なゆた玉座、対杜谷龍王の防衛戦! 勝負に熱を帯びる戦いの末、 勝利の女神が微笑むのはなゆたか、杜谷か!? そして、それぞれのめし戦略は!? 話題の将棋めしマンガ、ついに完結! |
【レビュー】 |
棋士の食事をメインテーマにした将棋マンガ。 棋士が休憩時に食べる食事が注目され始めたのは、タイトル戦のインターネット中継が始まった'00年代前半だったと思う。特に中継ブログでは写真入りで紹介され、一部では将棋の内容そっちのけで盛り上がりを見せていた。 直近では、なんといっても藤井聡太四段ブームでの「勝負めし」。将棋の内容そのものはあまり理解できないワイドショーが飛びついた(失礼。でもいつまでたってもアナウンサーが「将棋を打つ」って言うんだもん)。 その藤井ブームが来るよりも先に「勝負めし」に着目していたのが本作である。 棋士の「勝負めし」にファンが注目するのはなぜか?それは本書の第5話(「第5食」)での七窪奏珠(新入り将棋ファン)のセリフに集約される。 「一般人にはプロの先生の将棋は真似できないし、難しくて理解できないことが多いんです。 けど、ごはんなら真似もできるし、 棋士の様子まで想像できるから、つい確認しちゃうんですよ!!」 そして、棋士がなぜ「勝負めし」にこだわるかは、主人公・峠なゆたの第7話のセリフが代表的。 「将棋は最後、集中力・体力との勝負になる。 だから、我々は対局中でも食事をとる。」 この「将棋×めし」というニッチな分野を、少しコミカルに、ちょっとシニカルに、そして真剣に描いたものが本作だといえよう。 一応、主人公紹介だけしておこう。(箇条書きでスミマセン) 名前: 峠ゆなた(とうげ・ゆなた)。他にも変わった名字の登場人物が多い。 性別: 女。 「女流棋士」ではなく、「女性棋士」。 2巻時点では「女流棋士」と「棋士」の違いに関するエピソードは出てくるが、この世界に他の「女性棋士」がいるかどうかは明らかになっていない。 年齢: 不明だが、20代前半〜中盤だと思われる 棋力: 第1話では六段。すぐにタイトルホルダーになる。順位戦はC1。 服装: 表紙では1,2巻とも和服姿だが、パンツスーツが多い。フェミニンな服が似合わないのを気にしている(第5話)。 身体的特徴: ・眼が大きい。他の女性キャラと比べても大きく描かれている。 ・髪型は触覚多めのポニーテールが基本。 ・巨乳。5話でファンの女子校生が「で、でかい…」と呟いている。それ以外では、特にだれも触れない。特にセクシーさを強調するような絵もない。 ・口を大きく開けることが多く、犬歯がよく見える。 性格: 注文が相手とかぶるのがいや。食事で負けると動揺する。いつも美味しそうに食べる。特別大食いではないが、ガッツリ飯が多い。関西弁。やや強気、勝気。同期からは女扱いされていない。ニックネームは公私ともに「なゆたろう」。 全体的に、真剣画とギャグ画を効果的に使った現代的で好感度の高い絵柄で、基本的に一話完結スタイル。将棋の内容は広瀬八段が監修していて、盤面や局面も(もちろんグルメ絵も)手を抜かずに描かれており、ガチの将棋ファンが読んでも納得の出来栄え。もちろん、将棋の内容が分からない人が読んでも全く問題ない。 将棋連盟の対局規定では、2016年12月より対局中の外出が禁止になったため、このマンガでの「外食」というオプションが無くなったのは痛いが、出前メニュー、おやつ、それと普段の食事などでさらに盛り上げてくれることを期待したい。(2017Sep15) |