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十段戦名局集(1) 盤側観戦記 |
[総合評価] B 難易度:★★★☆ 図面:見開き2枚 内容:(質)A(量)C レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 中級〜有段向き |
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【著 者】 山本武雄(陣太鼓) | ||||
【出版社】 弘文社 | ||||
発行:1975年 | 0276-30056-2270 | |||
定価:780円 | 297ページ/18cm |
【本の内容】 | ||||||||
・付録…十段戦成績表=15p |
【レビュー】 |
十段戦の観戦記。第1期〜第4期(1962〜1965)の七番勝負・リーグ・予選から、好局をピックアップ。当時の十段戦は、持ち時間は七番勝負10時間、予選7時間と多め。 対局規定も現在と違うことが本文から窺える。 ・「千日手成立の場合、原則として中一日おいて指し直すものとす。」(47p) (現在は即日指し直し) ・「封じ手番を決める振り駒の時間となりました。」(50p) (現在は封じ手時刻に手番の側が封じる) 観戦記はすべて陣太鼓氏が担当。陣太鼓氏は読売新聞専属の観戦記者で、もともとはプロ棋士である(山本武雄九段)。 山本武雄九段の紹介(日本将棋連盟HP内) 現在で言えば、河口俊彦七段や鈴木輝彦七段に近い存在。現役時代から数多くの観戦記を書いていて、「ですます調」で軽妙な語り口には独特の読みやすさがある。 晩年の竜王戦の観戦記では、平易になりすぎて指し手の解説が少ないときもあったが、本書では言い回しも解説もかなり充実している。それでいて読みやすい。また、ほとんど他人の悪口は言わないので(誰のこと…?(笑))、どこを読んでも気分が良い。1ヶ所だけ気になったのは、「双方に誤算や見落ちがあって、正直なところ名局とは言えませんが…」(124p)ヾ(・_・;)オイオイ また、観戦記の冒頭で、陣太鼓氏が自身のことを書いており、つなげて読んでいくとミニ自伝になる。 ちょっと残念なのは、やや本文や図面に誤記が多いところ。全部で10ヶ所以上あった。 全13局とやや物量不足ではあるが、内容の充実で十分カバーしている。(2004Aug18) |