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内藤シリーズ(2) 横歩取り空中戦法 付・横歩取り実戦好局集 |
[総合評価] B 難易度:★★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)A レイアウト:B 解説:A 読みやすさ:B 上級〜有段向き |
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【著 者】 内藤国雄 | ||||
【出版社】 弘文社 | ||||
発行:1974年 | 0276-30042-2270 | |||
定価:580円 | 220ページ/18cm |
(新装版) |
横歩取り空中戦法 付・横歩取り実戦好局集 |
[総合評価] B 難易度:★★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)A レイアウト:B 解説:A 読みやすさ:B 上級〜有段向き |
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【著 者】 内藤国雄 | ||||
【出版社】 弘文社 | ||||
発行:1974年 | 0276-30042-2270 | |||
定価:580円 | 220ページ/18cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||
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【レビュー】 |
横歩取り空中戦法の研究書。 横歩取りの序盤といえば、「▲7六歩△3四歩▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲7八金△3二金▲2四歩△同歩▲同飛」の手順が定番。さてここで、「金締まりを省略して▲2四歩はないの?」という疑問が生じる。横歩取りを指す人なら、誰でも一度は考えたことがあるだろう。角道を開けない相掛かり戦では、「金上がり省略の▲2四歩は無理筋」は常識で、中級者向けの手筋本などさまざまな棋書に載っている。ところが、この横歩取り戦での金省略▲2四歩は、載っている本が極端に少ない。 本書はこの変化が研究されている貴重な一冊である。本書の結論では、「ほぼ互角か、後手わずかに指せる」。わたしは実戦ではほとんどこの▲2四歩早突きに出会ったことがないが(相掛かり戦では3回ある)、ほぼ互角なら仕掛けてみる価値はあるのではないか?と思う。逆に後手番では、この変化をこなさなければ横歩取りに誘導できないはずだ。現代の「対ゴキゲン中飛車超急戦」に似た変化なので、横歩党以外の方も知っておいて損がない。 その変化をクリアして、やっと本書のメインである「横歩取り空中戦法内藤流」に入れる。△8四飛と引いて△5二玉と中住まいに構えるのが基本型。現代では内藤流はほとんど見かけないが(中原囲いの方が好まれている)、バランスが良いのでそれなりに有力だ。また、現在流行の△8五飛戦法の基礎は、この内藤流にある。 本書では、空中戦法黎明期の研究が詳細に記されている。もちろん、現代の眼から見れば少々気になる部分はあるが、横歩党はぜひご一読いただきたい。きっと何かが得られるはずである。(2004Apr04) |