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岩波 科学ライブラリー
90 コンピュータは名人を超えられるか |
[総合評価] B 難易度:★★☆ 図面:たまに挿入 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解説:A 中級以上向き |
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【著 者】 飯田弘之 | ||||
【出版社】 岩波書店 | ||||
発行:2002年9月 | ISBN:4-00-006590-4 | |||
定価:1,100円 | 117ページ/19cm |
【本の内容】 | |||||||||||||||
◆内容紹介 |
【レビュー】 |
1997年5月、チェスの王者(カスパロフ)がコンピュータ(ディープブルー)に番勝負で敗れた。このことは世界にも、また将棋界にも大きな衝撃を与えた。ただし、この対決は人間にとってかなり不利な条件であった。そして人間にはリベンジの機会が与えられないまま、ディープブルーは引退してしまった。 さて、将棋の方はどうか。将棋はチェスとよく似たゲームだが、駒の再使用ルールがあるためチェスよりも複雑である。また、盤が広いのに駒の足が遅いので、序盤の体系化は進んでいない。それでも著者は、「コンピュータがプロの名人に勝つのは2012年」と予測する。プロ棋士であり、かつ研究者でもある(静岡大教授)のは彼ただ一人だから、この発言には説得力がある。本書では、コンピュータ将棋が強くなるための工夫の歴史と、今後の動向が解説されている。 内容的には、大学の特別講義や概論レベル。専門知識がなくても読めるようになっているが、コンピュータの基礎知識と将棋の実力はある程度必要(「形勢判断」が分かるくらいならば大丈夫)。たまに眠くなることもあったが、比較的スムーズに2時間くらいで読むことができた。本書を読めば、最新の将棋ソフトで何が行われているかを知ることができる。基礎知識が身につくので、将棋ソフトを選択するときに参考になるだろう。本書だけで将棋ソフトを開発するのはちょっとムリ(笑)。(2003Feb08) |