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■中飛車の基本 【ゴキゲン中飛車編】

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中飛車の基本 【ゴキゲン中飛車編】
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最強将棋21
中飛車の基本 【ゴキゲン中飛車編】
[総合評価] A

難易度:★★★★

図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
上級〜有段向き

【著 者】 鈴木大介
【出版社】 浅川書房
発行:2013年1月 ISBN:978-4-86137-038-0
定価:1,470円(5%税込) 224ページ/19cm


【本の内容】
第1章 超速に対する3つの作戦
─超速▲3七銀戦法
第1型 超速の狙い
第2型 銀対抗VS二枚銀急戦
第3型 銀対抗VS居飛車穴熊
第4型 △3二銀急戦
第5型 菅井流△4四歩
第6型 羽生流セミ急戦
・まとめ
・チェックポイント
104p
第2章 四間飛車から力でさばけ
─居飛車穴熊
第1型 すぐに穴熊
第2型 ▲4六歩はどうか
第3型 居飛車の最強手
第4型 ▲3七銀の戦い
・まとめ
32p
第3章 狙いを外してペースをつかめ
─▲5八金右超急戦
第1型 超急戦は外しなさい
第2型 超急戦はできません
・まとめ
28p
第4章 浮き飛車から軽快に
─▲7八金戦法
第1型 ▲7八金の狙い
第2型 位を取って指す
・まとめ
24p
第5章 向かい飛車が有力
─角交換型と▲4七銀急戦
第1型 角交換型
第2型 ▲4七銀急戦
26p

◆内容紹介
プロ間で人気のあるゴキゲン中飛車。自分でも指してみたい、けどコツがいまひとつよくわからなくて…。本書はそんな方のために書かれた中級編です。駒組みの基本から最新定跡の「超速」まで対応し、居飛車の対策はすべてを網羅しました。ゴキゲン中飛車を始めたい方、勉強し直したい方にぴったりの本になっています。

わけがわからないうちに戦いになり、力が出ないまま終わってしまった──こんなことは、新しい戦法を覚えるとき、誰もが経験したことでしょう。とりわけ最近の流行戦法は、中飛車にしても石田流にしても乱戦含みの戦型ばかりですので、こうした傾向はさらに強まっているのではないでしょうか。
本書はそうしたファンの気持ちに応えた本です。基本コンセプトを「
乱戦を避け、自分のペースで戦う」ことに置き、玉をしっかり囲い、安心して戦える形を中心に解説していきます。たとえば、(やや専門的な話になりますが)乱戦の代表格である「▲5八金右超急戦」に対しても2通りの回避策を用意。これで、「玉は堅く、飛車は強く大きく」という、いつもの展開に無理なく進めることができるはずです。
居飛車の対策はすべてを網羅しましたが、「これも有力、あれも有力」「これも難解、あれも難解」というような指針のない記述は徹底的に排除しました。たとえそれがプロ的には正しい認識であったとしても、指しこなすのにやはりプロ級の実力が必要ということでは、ファンのみなさんに自信をもっておすすめすることはできませんから。

本書が目指したのは、相手がどんな作戦で来ようとも、こちらは安心してゴキゲン中飛車が指せる──そんな自信をもっていただくことです。それだけに、これからゴキゲン中飛車を始める方はもちろん、もう一度勉強し直したい方にも自信をもっておすすめします。


【レビュー】
△ゴキゲン中飛車の戦術指南書。

ゴキゲン中飛車が本格的に指されるようになってから、すでに十数年が経過。居飛車側の対策は非常に多岐にわたる。特に超速が登場してからは、ゴキゲン側が玉を囲うタイミングもシビアになり、また「いつも美濃囲いでOK」という訳にはいかなくなっている。

新しい作戦に対して、今までと同じように指していたら作戦負けになったり、プロの真似をして乱戦定跡に乗っていたら、気がついたら力を出せる局面でなくなっていたり。そういうことがよく起こるようになっている。

本書は、▲居飛車vs△ゴキゲン中飛車の戦型について、ゴキゲン側が力を出せる形に絞って解説した本である。

あくまでも「力を出せる形」に絞っているだけなので、居飛車の対応が緩かったり、ゴキゲン側に都合の良い変化をたどったりということは、ほとんどない。疑問手を指している変化はときどき双方にあるが、狙い筋を示すためである。



各章の内容を、チャートを添えながら紹介していこう。

第1章は、超速▲3七銀。居飛車の狙いは、すばやく▲4六銀型を作り、▲3五歩や▲4五銀を見せ玉にしながら後手の決戦作を狭くし、持久戦に持ち込むこと。戦法名と真の狙いがマッチしていない。

対して、本書で推奨される後手の対策は、大きく分けて次の3つ。

 (1)銀対抗型
  後手も左銀をすばやく繰り出して、▲4六銀に△4四銀と対抗する。先手の二枚銀からの速攻はなんとかなるが、逆に後手からの速攻は先手勝ちになるし、後手が美濃に組んでも早い打開は難しいので、相穴熊になりやすい。互いに力は出せる。

 (2)△3二銀急戦
  △7二玉まで囲ったら△3二銀と上がり、次はほとんど何でも△5六歩と決戦を挑む。分かりやすさナンバーワン。

 (3)菅井流△4四歩
  ▲3七銀に△4四歩と突いておく。▲4六銀と出てきたらすぐに△4五歩と突き出し、▲4六銀型を安定させない。かなり新しい作戦なので、まだ戦い方がアマには浸透していないが、「戦いが少しでも収まったら、とにかく玉を囲う」(p94)のがコツ。



第2章は、いわゆる一目散穴熊。これに対しては、△5三銀で待機し、△4四歩〜△4五歩から四間飛車に振り直す作戦が優秀ということで、居飛車党がさらに超速に集中する原因となったとされる。



第3章は、▲5八金右超急戦。序盤の10手強で終盤戦になる恐ろしい将棋だが、いまだに結論がハッキリ出たわけではない。ただし、この戦型はプロでも「いつ新手を出すか」の研究勝負であり、アマならほとんど定跡知識の多寡の勝負になってしまう。

これでは全然楽しくない!ということで、本書では「超急戦を受けない」ことを推奨。その方法は、以下の2つがある。

 (1)「超急戦は外しなさい」
  ▲2四歩△同歩▲同飛に、超急戦なら△5六歩▲同歩△8八角成の決戦だが、この作戦では△3二金として穏やかに指す。歩交換させて先手だけ主張が通るようだが、後手は浮き飛車からいいタイミングで△2四飛とぶつけて▲2五歩と打たせれば、先手の主張は消える。以下作戦勝ちを目指していく。

 (2)「超急戦はできません」
  ▲5八金右に△9四歩と玉を広くして超急戦に備える。端を突き合うなら、先手は超速にも居飛穴にもできないし、端を突き越せば後手は大きなアドバンテージを得られる。



第4章は、▲7八金型。8八に利かせることで、2筋歩交換を確実にする(角交換〜△3三角が両取りにならない)のが狙い。その半面、先手の玉の囲い方には制約ができている。

後手は、角を向かい合ったままツッパる作戦もあるが、△5五歩と位を取って2筋の歩を切らせるほうが本書のオススメ。△5四飛の浮き飛車から△2四飛と飛交換を要求すれば、陣形の差で先手は▲2五歩と交換拒否することになるので、2筋歩交換の主張を消せる。この後、後手は△3四飛−△4四角型に組んでカウンターを狙う。



第5章は、角交換型(いわゆる新丸山ワクチン)と▲4七銀急戦。ゴキゲン側として、角交換から向飛車への転戦が有力な戦型を一つの章にまとめている。

新丸山ワクチンに対しては、後手は早めに片銀冠を作り、向飛車に転回するタイミングを見極める。5筋で銀交換できれば後手良しになる。

▲4七銀急戦に対しては、▲3六銀から角頭を狙われる急戦をまともに受けると、優劣はともかく居飛車が主導権を握る展開になる。後手としては、先手が飛先保留で▲4八銀と上がったらこの作戦を予知して、すぐに後手から角交換してしまうのが本書のオススメ。



本書は、網羅型の定跡書とは用途が違ってくる。ゴキゲン側は、もちろん「力を出せる戦い方」を知るため。本書を読み通せば、居飛車側のあらゆる作戦に対して、ゴキゲン側は少なくとも互角に戦えるし、針の穴を通すような変化に紛れることなく、自分の力を出しやすいだろう。

そして居飛車側は、本書の戦型がアマで選ばれやすいことを認識するために読むと良い。その中で、居飛車がどの作戦がより有効なのか、的を絞ると良いだろう。

アマでの流行形を予測するために必要な一冊である。(2013Mar07)


※誤字・誤植等:
特に見つかりませんでした。

2013/07/07 掲示板にて、名無しさんより指摘あり。
p139の本文中に「▲2三歩成には△2七歩がある」と書かれているが、△6六歩と垂らした時点で後手は歩切れ。▲2三歩成に△2七歩と飛先を叩くことはできない。
よって、p139解説部の前半と注意書き(★部)は解説が成立していない
なお、局面自体は後手有利で問題ない。(△6六歩に▲2四歩なら△3九角で良い)



【関連書籍】

[ジャンル] 
中飛車
[シリーズ] 
最強将棋21
[著者] 
鈴木大介
[発行年] 
2013年

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